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恐竜博2023 

レポート

 

▼恐竜博2023 レポート2

  •  ■国立科学博物館・特別展/今度の主役は「トゲトゲ」だ!

コンテンツ

1・いくぞ!恐竜博編 2・ズール編 3・ダブルティラノ編 4・ダブルラプトル編
5・おみやげコーナー編 6・海洋堂限定ガチャ編

■「恐竜博2023」 2ページ目・ズール編

第2章 鎧竜ズールのすべて!
いよいよここから本企画展の本番がはじまる!
次のエリアへはゲートをくぐり、やや照明の落ちた空間に進む趣向で、わくわくを盛り上げてくれるぞよ!

そして登場する、まるで宝石か美術品の様に飾られた「ズール・クルリヴァスタトル」の実物頭骨!
カナダ・ロイヤルオンタリオ博物館以外で公開されるのは初めてとなる、貴重な化石だ!

堅牢な皮骨で体を覆っている鎧竜は、一見化石として残りやすそうな印象を受けるが、
頭から尾の棍棒まで一体分、完全な状態で発見されたアンキロサウルス科は、
意外な事にこのズールが初めてとなる!
この化石はトゲトゲの鎧は勿論、鎧と鎧の間の皮膚まで鮮明に残っており、
これを頭から尾まで生きた時と同じ状態で並べて展示するのは、この企画展が初の試みと言うから必見だ!

非常に美しい状態で見つかったズール。
頭骨にも皮骨が残っている。

クチバシ状で歯の無い口先。

まるで生きていた頃そのままのシルエットに感じられるぞよ。

ショーケースは後ろに回り込んで観察する事も出来た。

ズール固有の特徴として、吻部から頭頂にかけて六角形の皮骨が並んでいる。
これは額に向かってトゲトゲ度合いが高まってゆく。

「ズール」と言う名前は映画「ゴーストバスターズ」に登場する「門の神・ズール」と頭の形が似ている事から名づけられた。
確かにシルエットや角の位置とか似てるかもしれないぞよね!
こないだニュースで新種のゴキブリにポケモンの「フェローチェ」の名前がついたなんて話をやっていたが、
古生物学者の先生もやっぱりおたくぞよね〜。
なんでもこの「ズール」なんて、命名者の博士が冗談で言ったことから決まっちゃったらしいぞよ。
楽しい職場みたいぞよね!

鱗状骨の角の骨は外側面後ろ向きに伸びる溝が顕著に発達、
眼孔の奥には眼球を保護していた骨質のまぶたが入り込んで残っている。

ズールの実物頭骨が飾られた空間を抜けると、再び開けたエリアへ。
ここにはズールの全身が展示されているのだ!

ズール腹側のレプリカ。
ズールは非常に巨大で、ほぼ全身がそのままの形で埋まっていた。
これを掘り出すには様々な困難があり、特に重要な石化した皮膚や鎧を完全に取り出すには、
一度巨大な岩塊をひっくり返す必要があった為に、
はじめに彫り出す作業を進めていたこちらの腹側はシリコン樹脂を作って型を取り、レプリカを作成して残したのだ!


この巨大な胴体が入っていた岩塊は、重さ16t以上もあったと言う!
掘り出すのは、それは大変な作業だったに違いないぞよ!

そして!
遂にズールの全体像が現れた・・・!
会場に寝そべるその巨体!
おろかなにんげんども、刮目せよ!

これが生きた時そのままの状態に並んだ、ズールの化石ぞよーっ!!

アンキロサウルス科のものとしては最長となる210cmの尾の実物化石!
先端には薄く前後に長い形状をした棍棒を備えている!
これが肉食恐竜の骨すら砕く、重量級の物凄い武器だったのだ!
保存状態も非常に良く、骨化した腱や皮骨を覆っていたケラチン質の痕跡も見られる。

そして特に凄いのはこの実物胴体だ!
様々な形の皮骨が保存されているのがひと目にわかるぞよね!
皮膚そのものが保存された箇所も見られる。

こちらも通常では残らないケラチン質まで保存されている。
脇腹近くの三角錐状のトゲの中には、先端が損傷し治癒した痕跡が見られるが、
これがズール同士が尾を振り回した時、丁度棍棒が衝突する箇所であるという。
つまり、同種間の争いによって破壊されたトゲである可能性が高いと言う事だ!

堅牢な鎧が壊れるほどのバトル・・・ただのじゃれ合いと言う事はあるまい!
縄張り争いなどの苛烈な戦闘が行われたのだろうか・・・ほんとうのところはまだ誰にもわからないぞよ・・・。

けれど、こんな風に折れても傷は治癒したのだから、傷ついたズールはそのまま生きていたと言う事になる。
やはり鎧のお陰で致命傷には至らなかったのだろう!

首の鎧の一部も実物化石が並んでいた。

元々はこの様に接続していたのだ。
ズールは死んだあと、大洪水で川に流され、そのまま入り江の様な場所に沈んでしまったと考えられている。
この時、重い鎧が下となり、仰向けに沈んでいったが、特に重い棍棒が最初に川底に接地し、一番先に埋ったのだ。
それだから棍棒が非常に綺麗に保存されたというワケぞよね。
逆に、上を向いていた手足は外に露出して、肉食恐竜などに食われたのかどうか、定かでないが・・・化石として残る事はなかったぞよ。
けれど、頭から尾まで綺麗に発掘されたのは、鎧竜の中では初めて!
とても貴重な存在なのだ

加えて、本来ならば腐ってばらばらになってしまうはずの皮骨や、普通なら化石にならないはずのケラチン質まで保存されていた。
これは奇跡に近い確率だ!
そして、皮骨の表面を覆う角質まで保存されている事がわかっており、この中からたんぱく質を取り出して、ズールの体色までも解明できるかもしれない!
この先の研究にも注目が集まっているぞよ!

今回の展示では、ズールの復元予想図は緑色をしている。
アニメの「ジュラシックワールド サバイバルキャンプ」に出てきたアンキロサウルスのバンピーもエメラルドグリーンをしていたし、
ちょっと似てるぞよね!
もしかしたらこれから先、このズールも色々なアニメや映画に出てくるかもしれないぞよなぁ・・・。

ズールの発掘地であるアメリカ合衆国モンタナ州の岩壁を思わせるスロープを登ってゆくと、次のエリアへ。

このスロープは、ズールの全身をほんの間近で見下ろすように通っているから、
貴重なズールを真上から覗く事も出来る。

俯瞰するとまた違った印象のズール。
背中のトゲは立体感があり、照明によって陰影が浮き上がって見える様も美しい。

ズールの特徴である六角形の皮骨は、実物化石展示よりこちらの複製の方が見下ろせて観察しやすいだろう。

カッコイイ背中。
トゲの破損部位にも注目だ。

殆どそのまま残っているんじゃないかと言う尾。
後述するが、この棍棒が「ズール・クルリヴァスタトル」と言う名前の、もう一つの由来となっている。

これが本当に大きくて、写真一枚に収まらないのが惜しいぞよ!
おろかなにんげんどもも、ぜひ実物を会場で見て、脳に焼き付けて欲しいぞよね!
か、感動ぞよよ〜・・・っ!!

で、スロープを登って振り返るとこの光景なワケですっ!!

で、でたぞよーっ!!
本展示最大の目玉とも言える、「ズール」VS「ゴルゴサウルス」ッ!!
守りのズールに攻めのゴルゴサウルス、太古の超絶バトルが、復元骨格模型となってまざまざと蘇るッ!!

このゴルゴサウルス全身骨格は、若い生体の部分骨格を元に復元されたもの。
右足の脛の骨には異常な膨らみが見られ、これはもしかすると、ズールの攻撃を受けたのち、治癒した箇所かもしれないと考えられているぞよ。
そして、「ズール・クルリヴァスタトル」の種小名の「クルリ」はラテン語で脛、「ヴァスタトル」は破壊者を意味しており、名前もここからきていると言うでは無いか!
棍棒の秘密がここで解き明かされるというワケぞよね!!

会場ではこのVS展示の下にズールの尾のシルエットが投影され・・・

この様に影絵アニメが動き、ズールの攻撃を再現していました。
なかなかニクイ演出ぞよ!

ズールとゴルゴサウルスが戦うと、棍棒が丁度この位置に当たる。
ゴルゴサウルスの足のダメージ痕は、ズールの攻撃によるものである可能性が考えられると言う訳だ!

当然、ズールとゴルゴサウルスは同じ時代、後期白亜紀に生きた恐竜と言う事になる。
二つは同じ地層から発見されており、両者が生存をかけて戦った可能性は高そうだ。

しかし、残念ながらこの2種が同じ場所から発見された事実はない為、
ゴルゴサウルスの骨折の痕が本当にズールの攻撃によるものだったかは謎に包まれている。
あの〜・・・ちょっとその〜・・・盛ってるぞよね?
でも、本当に太古の昔、2種が命を懸けて戦っていたのなら、様々なドラマが想像できる!
ロマンを感じるお話ぞよ〜。

ゴルゴサウルステール。
ズールの推定全長6mに対し、ゴルゴサウルスは9m。
ティラノサウルス科では軽量の骨格を持つことが特徴とされる。

この時代、ズールを捕食していた獣脚類の中では、ゴルゴサウルスは最大級の種だったとされている。
もしこの二つが戦っていたと言う想像が真実なら、ゴルゴサウルスの攻撃性はズールを捕食する為に高まり、
ズールの防御力はゴルゴサウルスに対抗するために堅牢となったのかもしれない。

でも、こんなに鎧で覆われた恐竜は、苦労して倒しても食べるのが一苦労ぞよねぇ・・・。
きっとお腹側からむしゃむしゃ食べていたに違いない。

西部内陸海路の端に沿った氾濫原に住んでいたとされるゴルゴサウルス。
頂点捕食者として、草食恐竜を捕食していたとされる。

照明にギラリと光る鋭い牙ぞよ!

小さめのティラノサウルスと言った趣です。
とても格好良い!

対するズールはずっしりとした構え。
脚が短く地面に近いのは、ゴルゴサウルスの様に上から攻撃してくる恐竜に対して、身を屈めて背中の鎧を有効に使う為の進化に違いない。

今回の恐竜博のメインビジュアルにもなっている2体のバトル構図!
さながら怪獣バトルの様な迫力を醸し出している!

ぐるっと回り込んで全方位から見られるのが嬉しいぞよね。

影を使った演出もとても格好良く、何時間でも見ていられる展示となっている。

様々な情報から復元された全身像。
また研究が進めば、この全身骨格もアップデートされる日が来るかもしれない。

100年以上にわたりカナダ西部後期白亜紀の恐竜化石を収集してきたロイヤルオンタリオ博物館。
今回展示されているゴルゴサウルスの頭骨は、そのコレクションの中でも最も保存状態が良い、貴重なティラノサウルス科の標本であると言う!

この実物頭骨は完全に成長しきっていない亜成体のゴルゴサウルスで、
保存状態が良いうえに、頭骨がばらばらの状態で見つかった為、
個々の骨の状態を詳細に観察できることから、歴史的にも科学的にも重要な標本であると言う。

様々な骨が組み合わさって恐竜の頭部を形作っているのだ。

芸術品の様な美しさぞよ・・・(ほっ

さて、目玉の「ズール」が登場してしまったが、「恐竜博2023」の見所はこれだけじゃないっ!!
次ページではいよいよアイツが登場する・・・っ!!
刮目するのだーっ!!
3ページ目「ダブルティラノ編」へ続く→




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