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　―――こんな夢を見た。

　天地明宵、四つの幻獣に護られたイタルの国。
　人は必ず少女として生まれ、兆しを経て男と女、どちらかの道を選ばねばならない。

　天の凰睛蝶の孤独を慰め、その意を代行する夢守の家、天ノ守に引き取られたシズネは兆しを機に帰省する。
　優しく迎えてくれる兄の顔に残る火傷の跡。
　それはシズネの罪の証。
　岐路に立たされたシズネは夢の中で幼き日の過ち、そして真実と向き合う事になる……。

　時を同じくして百年の眠りから目覚めしは地の司氣龍。
　三つの物語、九つの夜が交わる時、司氣龍と凰睛蝶、護国幻獣による天地を揺るがす熾烈なる闘いの一夜が始まった。
　
　「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」
　幻想に彩られた物語が此処に開く。