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恐竜科学博2023 

レポート

 

▼恐竜科学博徹底レポート!

  •  ■恐竜科学博2023年7月の詳細レポ

コンテンツ

 
:DinoScience 恐竜科学博 2023@TOKYO MIDTOWN
 
その1
ゴルゴサウルス編
その2
トリケラトプス幼体の旅編
その3
モササウルス編
その4
レインVSスタン編
 その5
おみやげコーナー編
 
 

■「恐竜科学博」再び!!ゆくぞ、夏休み徹底レポートッ!! その2〜トリケラトプス幼体の旅編〜

「白亜紀フィールドツアー〜少年トリケラトプスの冒険〜」
そしてここから、いよいよ白亜紀の旅が始まるぞよ!!
森へ迷い込んだ幼いトリケラトプスのあとをこっそり追いかけ、ララミディア大陸を冒険すると言うのがこの企画展のストーリー。
光と影、そして音を使った演出がそこかしこに見られるぞ!!

いざ、冒険に出発!!
木漏れ日のゲートをくぐると、おや?
むこうにトリケラトプスの子供が歩いているのが見える!
どうやら迷子のようぞよ・・・お母さんとはぐれてしまったのだ。

とことことことこ歩くトリケラトプス。
このスクリーンには近づくと影が落ちて、シルエットのわたくしとトリケラトプスの子供とが邂逅する、素敵な仕掛けがあった。
心許ないようで、なんだか楽しげでもある子トリケラと一緒に、ララミディアを巡ろうじゃないか〜。

おっと、早速子トリケラが何かを発見したようだ!
あれは・・・小型の翼竜ぞよね!!

「小さな翼竜を追いかけて。」
このようにパネルには恐竜くんの手によるイラストとストーリーが掲載されており、
この情景が1/1の骨格と共に再現されているというワケです。
ストーリー仕立ての恐竜展示は、子供から大人まで楽しめる仕掛けだ!

本企画展の為に作られたと言うトリケラトプス幼体の全身骨格。
トリケラトプスの幼体化石は断片的にしか発見されていないが、近年大きく進歩しつつある恐竜の成長研究に基づき、
成体のトリケラトプス「レイン」を3D化したものをベースに、幼体の部分骨格をあてはめ、近縁種やあらゆる標本を元にトリケラ幼体をシミュレート。
完成した全身骨格は、現時点で最も科学的に正確なトリケラトプス幼体だという・・・!

これがまだ誰も見た事のない、トリケラトプス・ホリドゥス幼体の推定された姿ぞよーっ!!

会場には全長1メートルほどのこの骨格が様々なポーズで複数展示されており、豪華ぞよ。

トリケラトプスの卵や幼体はまだ発見されていないが、恐らく卵は20〜30センチ、孵化直後の幼体は体重数キログラムの小動物であったはずだ。
近年発見された集団化石には2体の成体と2体の未成熟個体が含まれていたことから、
本企画展のストーリーでは家族単位の比較的小規模な群れを形成したものと仮定してあると言う。

未命名の翼竜
「レイン」と同時代の、代表的な地層であるヘルクリーク層で発見された小型翼竜。
正式な命名前だが新種と考えられる。
この時代の小型翼竜の化石は大変希少であり、極めて重要な発見だ。

この時代には珍しかった小型翼竜に気を取られた子トリケラは、群れからはぐれてしまう。
お母さんたちを探しながらララミディアを冒険するのだ。

次に子トリケラが出会ったのは、小動物のバトルシーン!!
小さな肉食恐竜が跳ね回り、哺乳類と対峙しているではないか!
子トリケラは息をひそめてその様子を窺っているぞよ。

遭遇。

ティラノサウルス・レックス幼体
断片的な化石と、近年の個体発生に関する研究に基づいて再現された全長1.2メートル、生後6か月以内のティラノサウルス。
成体と比べると全体に華奢で、頭部が小さく、後肢が長い点が特徴的。

ティラノサウルスの卵や幼体もまた、未発見。
卵は30〜50センチほど、生まれたての幼体は体重数キログラムの小動物であったと考えられ、
恐らくは羽毛恐竜であった可能性が高い!
ティラノサウルスの羽毛については諸説あるが、子供の時は羽毛恐竜として生まれ、大人になるにつれて抜け落ちていったとも考えられているぞよ。

ディデルフォドン・ヴォラックス
白亜紀最末期のララミディアに広く分布した有袋類に近縁な哺乳類。

この時代の哺乳類化石は大半が歯や下あごばかりだが、サウスダコタ州で発見されたこのディデルフォドン骨格は数少ない例外とされる。

このサイズ感では、どちらがどちらを狩るともない。
幼い恐竜にとって、哺乳類もまた大きな脅威だったのだ!
しかしこの幼体恐竜が、やがてあのティラノサウルスになろうとは・・・ディデルフォドンは想像もしないだろう・・・!

上野の科博の「コンパス」コーナーには、凸版印刷株式会社がタルボサウルス幼体から推定し制作した幼体ティラノの全身骨格が飾られているぞよね。
こちらはそれとまた異なり、トリケラトプス幼体と同様の技術で復元された新たなティラノ幼体と言う事になる。

襲い掛かるジャンピングポーズ!!
この頃には既に小型の捕食者として活躍していたというが、ほんとのところはよくわからないぞよ。

小動物達の小競り合いをやり過ごし、水辺へやってきた子トリケラ。
喉の渇きを癒そうとしたその時、危ないッ!!
何かが子トリケラを狙っているぞよーっ!!

「そのとき、静寂を打ち破ったもの。」
ララミディアの淡水域は、ワニ類やカメ類、そして今は見られないコリストデラ類と言う生き物の支配下だった。

チャンプソサウルス・ララミエンシス
淡水生の爬虫類・コリストデラ類の一種で、白亜紀末から新生代にかけて北米に生息した。

ワニとそっくりな形態・生態だが、全く別の生き物ぞよ。
コリストデラ類はジュラ紀に出現し、1億5000万年以上にわたり存続した。
ワニもカメも現代で見られるのに、そっくりなこの生き物はもうどこにもいないなんて、不思議ぞよねぇ・・・。

プレシオバエナ 種未定
ヘルクリーク層で発見されたバエナ科のカメ。
こちらは亜成体のもので、現状の分類は暫定的なもの。
バエナ科は白亜紀末の大量絶滅を免れ、新生代まで生き延びた。

この頃、ワニは10メートル越えの巨大種も生息しており、水辺にやってきた恐竜もむしゃむしゃ食べられていたと言う。
ここで襲い掛かったのは小型の種であった事が幸いし、子トリケラは逃れる事が出来たようだ。
ほっ。

スタンゲロチャンプサ 種未定。
アリゲーターの一種。
ワニらしい円錐形の鋭い歯を持つが、奥歯は太く丸い形状をしている。
これはカメなどの硬い獲物を噛み砕くためと考えられる。

ジャンピングポーズの子トリケラ。
危うく足の一本も持っていかれるところだったぞよ。

ホネなのに躍動感が伝わってくるぞよね。
同エリアの写真1枚目などを見て頂きたいのだが、沼の水面とピンチの心境をライティングで表しているのがお分かりいただけると思うぞよ。
このような演出と、通常のライティングとが時間経過で切り替わり、動きのついた骨格展示をさらにドラマチックに仕立てているのだ。

会場の様子。
前述の通り、わたくしは化石のプレゼント付き平日限定チケットを使って、月曜日の朝9時から会場に入ったぞよ。
朝早くはまだ人もまばらで、非常に快適に鑑賞する事ができたのが嬉しかったが、これが本格的に夏休みとなるとどうなるかわからないぞよね。
それと、個人的に気になるポイントなのでここに記しておくが、入場後、ゴルゴサウルスの通路にトイレがあります。
会場内は行き来自由だし、あとから戻ってきて用を足す事も出来る。
チケットは再入場不可なので、会場内にトイレがあるのはありがたい。
おろかなにんげんどもよ、脱糞の心配はせず、安心して長居して頂きたい!!

と、おもらしの心配をしていたら出たーっ!!
巨大翼竜出現ッ!!

「大型翼竜ケツァルコアトルスが突然、何かを狙って空から舞い降りてきた。」
え・・・でかすぎっ!?

ケツァルコアトルス・ノースロピ
本種の化石は不完全なため、展示はケツァルコアトルス・ローソニに基づき復元された全身骨格である。

最大級の翼竜にして、地球史上最大の飛行生物とも言われるケツァルコアトルス!!
よくキリンくらい背が高かったと言われるが・・・や〜・・・これ上野動物園のキリンよりずっと大きくないぞよか・・・?
頭が大きいからかなぁ・・・。
翼長10メートルって、横にしたらアミメキリンさんの倍くらいあるぞよね?
お、おい〜・・・怖いんですけど・・・!

体も奇妙な構造だが、結構ボリュームあるぞよ。
ストーリーの中では子トリケラが遭遇したが、ケツァルコアトルスはララミディアの南部の地層で発見されており、
トリケラトプスとは生息域が違ったようだ。
という事でここでの遭遇はフィクションだが、ケツァルコアトルスほどの大型飛行生物ともなれば、より広範囲で活動していたかもしれず、
化石が見つかっていないだけで、現実にトリケラと遭遇していた事も十分にあり得るだろう!!

こうして見るとかなりがっしりとしていますが、翼竜の骨は軽量化されていて、見かけより軽かったと考えられるぞよ。
その為、潰れた状態で発見される事も多いのだ。

このような巨大な生物が本当に空を飛べたのか?
詳しい事はよくわかっていないが、どうやらこの長い四肢を使って大地を疾走し、
コウモリのようにジャンプして飛び立っていたとも考えられているぞよ。

こんな巨大なヤツが走って来て、更に飛ぶとはね・・・。
白亜紀最末期は魔境ぞよ!!

非常にシンプルな頭部。
それだけに異形感を醸し出している。

ケツァルコアトルスと言えば、映画「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」にも登場していましたね!
この日は全身骨格に会えて嬉しかったぞよ!!

や〜、カッコいいな〜。
今更言う事でも無いかもしれないが、これは翼竜と言って、恐竜には含まれない別な生き物ぞよ。
三畳紀に現れ、白亜紀末に絶滅した為、現代では見られない謎の多い動物だ。

大空を思わせる青い照明。

そして、森の中に不時着したのだろうか、緑の照明で照らし出されていた。

各エリアでは環境音などが自然な心地で流されており、ララミディアの空気感を演出していた。
気になって音のもとを探るとこれが置いてあったぞよ。
これってソニーのグラスサウンドスピーカー「LSPX-S3」ぞよね!
透明な有機ガラス管は広域を、中央のウーファーからは中低域を再生し、
底の部分には低域を増強する機構を備えているという。
ソニーグループ主催というだけあってここぞとばかりに製品を活躍させていたのだ!

ソニーの魔法によって作られた見えない森をゆくと、向うから駆けてくるものがある!
どうやら命がけの追いかけっこのようぞよ!!

「追う存在、追われる存在。」
恐竜たちの疾走を、木陰から窺う子トリケラ。

追いかけているのはダコタラプトルス・ステイニ
2015年に発見されたドロマエオサウルス科の大形種。
前肢に翼の付着痕が見られるため、羽毛恐竜であったとみられる。
この全身骨格はこれまで欠けていた頭蓋の一部、肩甲烏口骨などの新発見部位を組み込み、本展の為に新たに復元された最新のもの。

逃げているのはストルティオミムス(種未定)
ダチョウ恐竜は全般に形態的差異が少ないとされている。
歯のないくちばしや大きな目、極端に長い四肢などは同科に共通の特徴ぞよ。
こちらの全身骨格はダチョウの動きを詳細に検証し、全力疾走中に急旋回する一瞬を再現したという。

科学的考証に基づく、動きのあるポージング。
超古代・最速の戦いぞよ!!

会場の様子。
どちらも非常に大きな恐竜だった事がわかる。

「ジュラシック・ワールド」に登場するヴェロキラプトルのブルーは、名前こそ実在恐竜から拝借しているが、
姿も設定も架空の怪獣である事は有名ぞよね。
ダコタラプトルの属するドロマエオサウルス科、通称「ラプトル」は、もともと樹木性の小型恐竜が祖先であり、
高度な走行適応は見られなかったと言う。
捕食者ではあったものの、長距離走を得意とする追跡型と言うよりは、敏捷性を活かした奇襲による狩りをしていたと考えられる。
その中にあって、このダコタラプトルは大型ラプトルの中でも後脚が強靭であり、状況次第でダチョウ型恐竜に匹敵する俊足であったと考えられる。

映画「新たなる支配者」のアトロキラプトルのような、素早い追跡を見せたかもしれないのだ!!

やはり映画の影響でラプトルは人気があるようで、ここでもちびっ子がラプトルだ!とはしゃいでいたぞよ。

確かに非常に格好良いぞよ〜。
恐竜くんによる場面イラストでは、映画の怪獣形態ではなく、
科学考証に則った羽毛恐竜として描かれており、これもまた格好良いのだ。

対するダチョウ恐竜、こちらもスピード特化と言った趣で別の味わいがあるぞよ。

この足で脱兎のごとく駆けたと言う。
勝負の行方は化石にもどこにも記録されていない・・・。
悠久の時の彼方ぞよ。

そして、子トリケラの旅もどうやら終わりが近づいてきたようです。
穏やかな風景が広がっている。

「還るところ。」

またまた鳥類に夢中な子トリケラ。
どうやら空を飛んでいる生き物が気になるようぞよ。

こちらは未命名の鳥類
湿地性のクイナ科に酷似した鳥類。
同地域の鳥類としては異例の保存状態で発見された化石に基づく復元骨格。
現生のクイナには飛行能力を失ったものも多いが、骨格の構造からみて本種は飛行可能であったと考えられる。

立ち上がりポーズのトリケラトプス幼体。
ここに至るストーリーの中で、様々な姿の子トリケラが描かれ、
おろかなにんげんどももすっかり感情移入してしまった事でしょう!

この時代にも鳥類が既に存在し多様化を極め、現代まで存続する系統も登場し始めている。
恐竜が鳥に進化した、とは映画「ジュラシック・パーク」の頃からおろかなにんげんどもにも良く知られるようになったが、
もっと言えば鳥類は竜盤類・獣脚類恐竜の子孫であり、現代に生きる最も進化した爬虫類の一つ。
つまり、鳥類は白亜紀末の大量絶滅を生き残った、獣脚類恐竜そのものなのだ!
しかし、鳥類の全てが現代まで生き残ったわけではない。
6600万年前の大量絶滅では、当時の鳥類75%もが絶滅したと言われているぞよ。
そうは言っても、悲しむ事は無い・・・現生哺乳類6000種に対して、現代で見られる鳥類は11000種にも及ぶ!
言わば現代の地球は舞台を空に移した大恐竜時代ッ!!
あなたが毎朝何気なく見ているあの鳥も、その鳥も、み〜んな恐竜なのでした。

デンヴァ―サウルス・シュレッスマニ
こちらは同種の化石としては最も完全な骨格であり、「タンク」の愛称で呼ばれている標本だ。

通常、背を覆う皮骨は化石化の過程でバラバラになりやすいが、タンクは100個以上の皮骨を伴って発見された。

堅牢な鎧は一見化石に残りやすそうだが、意外と綺麗に残らないのです・・・。

のっしのっしと歩く様が動きのあるポージングで再現されている。

エドモントサウルス・アンネクテンス亜成体
全長4・6メートル程の若い個体。
本種は単独で産出するよりも、多数の骨が大量に密集した「ボーンベッド」として発見される事が多い。
どの骨がどの個体のものか判別はほぼ不可能なため、本骨格にも複数体の骨が混じっていると考えられる。

エドモントサウルスはこのあとのコーナーでも特集されているぞよ。

本企画展の限定チケットには、エドモントサウルスの実物化石が貰えるものもあった。

トリケラトプスとエドモントサウルスの化石を手にララミディアを冒険した人は、一生の思い出になった事でしょう!!

水鳥がさえずり、デンヴァ―サウルスやエドモントサウルスが穏やかにすごしている水辺。
向うにやってきたのは・・・お母さんトリケラトプスだ!!
迷子の子トリケラはようやく群れに合流できたようぞよ。
一安心の一方、海の中にはもう一つの世界が広がっていたぞよ!



その3「モササウルス編」へ→





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