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恐竜科学博2023 

レポート

 

▼恐竜科学博徹底レポート!

  •  ■恐竜科学博2023年7月の詳細レポ

コンテンツ

 
:DinoScience 恐竜科学博 2023@TOKYO MIDTOWN
 
その1
ゴルゴサウルス編
その2
トリケラトプス幼体の旅編
その3
モササウルス編
その4
レインVSスタン編
 その5
おみやげコーナー編
 
 

■「恐竜科学博」再び!!ゆくぞ、夏休み徹底レポートッ!! その3〜モササウルス編〜

「白亜紀アクアリウム〜モササウルスが支配したニオブララ海〜」
こちらは2021年の恐竜科学博では「白亜紀フィールドツアー」に含まれていた海コーナー。
過去バージョンでは子トリケラが群れに合流する前に海に立ち寄ったと言うストーリーでしたが、
この2023年版では大幅拡大され、新展示を含めた別コーナーに独立していると言うから大きな見どころの一つぞよ!

全体的に青を基調とした空間に、水の揺らめきが投影されており、美しく演出されている・・・。
学術的な展示と比べると、本企画展自体がややアートよりの展示会となっているが、これは企画の恐竜くんがイラストレーターである事も大きいだろう!
カナダ・ロイヤルオンタリオ博物館から門外不出の「ズール」がやってきた「恐竜博2023」は、
ここでしか見られない化石展示も多くあり、2023年の夏休み前哨戦とは思えない満足感だったぞよね!?
わたくしは大変感動し、こんなに素晴らしい展覧会なのだから、
おろかなにんげんどももさぞ感激して、様々なレポートをインターネットに書いているだろうと思い検索したところ、

子連れの主婦と思しき者が「会場は狭く展示は少ないし、つまんない。子供も途中で飽きていた」と書いているのを見つけたぞよ。
あの展覧会を体験し、こんなに貧しい感想を覚えるものが、まさかこの日本にいたとは・・・っ!!
わたくしは愕然とすると共に、恐竜の骨なんて、結局一般層にはこんなもんだよね・・・とも思ったぞよ。

この「恐竜科学博」では、会場の要所に恐竜くんによる美しいイラストが飾られ、展示そのものもストーリー仕立てとなっており、
光、音、映像・・・様々な演出で人々を飽きさせない作りとなっているばかりか、学術的にも詳しい内容となっている。
古生物研究を一般に広く認知させ、盛り上げていくためには、この様な工夫も大事なのかもしれないぞよ!!
(より専門的だった恐竜博2023だって、ライティングの演出面や会場の見せ方など大変凝っていたと思いますけどね!)

エンコドゥス・ペトロスス幼体
白亜紀に世界中で繁栄した肉食大型魚の子供。
大絶滅から逃れ、それ以降も数千万年に渡り繁栄したという。
成体は全長1・5メートルを超えるが、モササウルス類や首長竜をはじめ、様々な動物に捕食される立場にあり、
彼らの化石から胃内容物として確認されている。

エラスモサウルス・プラテュルス幼体
レイン幼体と同じ手法で復元されたエラスモサウルスの幼体骨格。
本種の首は72もの頸椎から成り、左右や下方向にはよく曲がるが、上向きにはあまり動かせなかったと言う。
つまり、水面から首を長く持ち上げたネッシーのような姿勢は不可能だったと言う事だ。

トクソケリス・ラティレミス幼体
成体は2メートル程にもなる大型のウミガメ。
ニオブララ海に生息したウミガメの中でも最も多く産出する化石だが、幼体の標本は非常に珍しく、
本展示にやってきた骨格はこれまでに発見されたもので最も保存状態が良いとされている。

首長竜達は絶滅してしまったが、ウミガメは現在でも見られる生き物ぞよね。
何が明暗をわけたのか不思議だが・・・。

や〜、やっぱりこのなが〜い首はどう考えても不便そうぞよね!
何かに特化したが為に、環境の変化に適応できず絶滅してしまったのだろう。

ソニー脅威の科学力によって彩られた太古の化石達・・・。
あまりにもデカすぎて頭が覗いているケツァルコアトルスがご愛敬ぞよ。

首長竜型のネッシーの元ネタが映画「キング・コング (1933年)」である事は最早有名ぞよね。
最近は「ジュラシック・ワールド」の影響でモササウルス型のUMAを目撃するおろかなにんげんどもも出てきたらしいぞよ。
人は不思議なものを見ると、それが何か特別なものだと思い込み、時に創作の存在を当てはめて、それを目撃したと思い込むのだ。

前述の通り、学術的に見ればこのような形態の生物は水面に首を出して優雅に泳いだりしないのだ!
大体、長い地球の歴史から見ればほんの数千から1万年前に出来たネス湖に6600万年前の首長竜が生き残っているワケないぞよね。

遥か未来で胡乱なにんげんどもの飯の種にされているとはつゆ知らず、太古の海ではお気楽に魚を食べていた筈ぞよ。

そしてこちらにはさらに巨大な怪獣出現!?
近年、首長竜の人気ポジションを奪い取っていった大スター・モササウルスぞよーっ!!

このイラストは図録に載っているものと少し違い、ヘスペロルニスとアンモナイトが描き加えられているから、本展示用に加筆されたもののようだ。

ペンギンのような鳥類を追いかける海の捕食者・モササウルス!!
これはちびっ子人気高いですよ〜!

ヘスペロルニス・グラシリス
高度に水生適応した飛べない鳥で、古代のペンギンのような種類だ。
翼は小さく、主に後ろ足を使って動いたと考えられる。
遊泳能力に最適化されていた為、特殊化した横向きの後ろ足での陸上歩行は不向きだったとされる。
現生鳥類と異なり、まだクチバシに歯が存在する。

モササウルス・種未定
現時点で5種が確認されているモササウルスのどれにも当てはまらない、新種と考えられる骨格。
「ウォーカー」の愛称がつけられている。
モササウルスとしてはカンザス州で初めて産出し、全身の大部分が関節した非常に良い保存状態のまま発見された。

白亜紀後期の海洋生態系に君臨した肉食の海生爬虫類!
恐竜の水中バージョンと言った趣だが、現生のオオトカゲやヘビに近縁で、恐竜とは別の生き物ぞよ。
三畳紀には存在していた魚類や首長竜と比べ登場は遅く、白亜紀を半ばすぎてから急激に多様化し、跳梁したとされている。

モササウルステイル。
大型のモササウルスはあらゆる種族を捕食していたと言われており、
魚、サメ、アンモナイト、鳥、ウミガメばかりか、他の小型のモササウルスなども襲って食べていた。

プラセンティセラス・ミーキィ
アンモナイトは中生代を通じて大繁栄し、世界中から膨大な量が産出している。
こちらの標本には中型のモササウルス類と思われる歯形が残っており、
軟体部が収まる部位の殻が大きく欠けている事から、捕食されたものとみられている。
これらの種がどのように絶滅したか、正確なところはわからないが、
実は白亜紀の終わりごろには気温の低下が続いたほか、海面の低下も続き、
海生動物の住処だった浅い海が失われた可能性が考えられているぞよ。
このような環境の変化で生態系の多様性が徐々に失われつつあったところに、
巨大隕石の衝突などによる更なる環境の激変が起こり、アンモナイトやモササウルス、首長竜は緩やかに姿を消していったのだ。


「ジュラシック・ワールド」でインドミナスレックスにトドメを刺した事で一躍有名になったモササウルス。
しかし、現実的に言えば水面から飛び出したり、浅瀬に乗り上げて陸上動物を襲ったりという行動は考えにくく、
あくまでの映画の中だけのお話ぞよ。

そもそも、映画の中のモササウルスってヘリとか潜水艦を丸のみにするくらい巨大だったぞよね!
このモササウルスは大きいけど、全長11mほど。
流石にメカを食べる事は出来なかっただろうが、この大顎にかかればおろかなにんげんどもなどはひとたまりもなかった事でしょう!

いや〜、しかし格好良いぞよね〜。
おろかなにんげぇん!
今度バンダイから「イマジナリースケルトン」シリーズで本格的なモササウルス骨格のプラモ出るの、知ってるぞよか〜?
わたくしも欲しいと思っているのだが、その前にまずトリケラトプスを作らないとね〜。

海の脅威から逃げる古代ペンギン!
陸上で子トリケラが大冒険を繰り広げる一方、海中でも様々なドラマが紡がれていたのです。

さしもの遊泳スペシャリストと言えど、モササウルスには勝てなかった・・・っ!!

あーっこれはもう助からないっ!!
ばくん・・・哀れヘスペロルニスはモササウルスの栄養となってしまったぞよよよよ・・・。

「ララミディアを闊歩した恐竜たち」

「高度に進化・特殊化したララミディアの恐竜たち」とあり、様々な恐竜の頭骨が飾られているぞよ。

「白亜紀最末期のララミディア大陸中部の生態系」
植物を鳥盤類恐竜達が食べ、おいしく育ったお肉を竜盤類獣脚類恐竜達が狩る。
肉食獣ではあのティラノサウルスが頂点に君臨していた。

アンキロサウルス
鳥盤類/鎧竜類/アンキロサウルス科
白亜紀後期マーストリヒチアン
北米に分布
全長6〜8m

上野の「恐竜博2023」でも目玉だったアンキロサウルス。
今アツいジャンルぞよね!!

アンズ
獣脚類/コエルロサウリア類/オヴィラプトルサウリア類
白亜紀後期マーストリヒチアン
北米に分布
全長3〜4m

鳥に近いオヴィラプトルサウリア類の恐竜で、大きなトサカが特徴的な頭骨をしている。
顎はクチバシ状で歯が無い為、多くの獣脚類と違って主に植物食、あるいは雑食であったと考えられる。
アンズなんて名前が可愛いぞよね〜。
なんでもメソポタミア神話に出てくる翼の怪物アンズーに由来するそうだ。
北米のオヴィラプトルサウリア類としては最大種。

アケロラプトル右上顎骨と左歯骨
獣脚類/コエルロサウリア類/ドロマエオサウルス科
白亜紀後期マーストリヒチアン
アメリカ・モンタナ州・ヘルクリーク層より産出
北米に分布
全長2m

映画「ジュラシック・パーク/ワールド」でお馴染みのヴェロキラプトルと近縁で大きさも同程度の親戚ぞよ。
ヴェロキラプトルってほんとは小さかったのです・・・。

非常に鳥に近いドロマエオサウルス科で、産出は展示の部位のみだが、
白亜紀末の北米に同科が生息した事が明確に示された大発見となる。

パキケファロサウルス亜成体 またはドラコレックス頭骨
白亜紀後期マーストリヒチアン
アメリカ・サウスダコタ州・ヘルクリーク層より産出

まるでドラゴンの頭のようなこちら!
当初は新族新種の恐竜として「ハリー・ポッター」シリーズにちなみ
「ドラコレックス・ホグワーツィア(ホグワーツの竜王)」と名付けられたが
近年の研究によると成長途中にある若いパキケファロサウルスとする見解が有力となった。

そんな幻のドラコレックスが成長するとこちらになるぞよ。
パキケファロサウルス頭骨
白亜紀後期マーストリヒチアン
アメリカ・ワイオミング州ランス層より産出

ヘルメットのようなユニークな頭部。
頭突き攻撃を得意としたのではないか?と考えられるが、それにしては頭部にダメージのある骨が見つかっておらず、
強度的な不安もあった事が示唆され、攻撃用途には用いない単なるディスプレイではないか?との考え方もあるぞよ。

エドモントサウルス成体頭骨
白亜紀後期マーストリヒチアン
アメリカ・サウスダコタ州ヘルクリーク層より産出

「カモノハシ竜」とも呼ばれるハドロサウルス科は幅の広いクチバシと洗練された歯列を備え、
効率よく食べる事に特化した植物食恐竜ぞよ。
特にエドモントサウルスは最も洗練されたカモノハシ竜の一つと言われ、
大規模な集団化石の産出例が非常に多く、時に万単位もの巨大な群れを作る習性があったと考えられている。

エドモントサウルス亜成体 右歯骨
白亜紀後期マーストリヒチアン
アメリカより産出
効率よく植物を咀嚼する事に特化した「デンタルバッテリー」と言う歯列は、カモノハシ竜と角竜に見られる歯ぞよ。
どんなにすり減っても、絶えず新しい歯が生え続ける為、常に万全の状態を維持できたと考えられている。

エドモントサウルス幼体 左歯骨
白亜紀後期マーストリヒチアン
アメリカ・サウスダコタ州ヘルクリーク層より産出

未命名の鳥類
白亜紀後期マーストリヒチアン
アメリカ・サウスダコタ州ヘルクリーク層より産出

テスケロサウルス頭骨
白亜紀後期マーストリヒチアン
アメリカ・サウスダコタ州ヘルクリーク層より産出

その隣には再び恐竜の足跡化石が登場。
入口にあったものと続きになる化石ぞよ。

中型獣脚類の足跡化石

う〜む、確かに何らかの痕跡があるようには見えるが、一見するとこれが恐竜達の生活の跡だとはとても思えないぞよ。
古生物学者の先生達は、鋭い観察眼を持っているのだ。

このような手掛かりから、少しずつ恐竜の生活様式が判明していくのです。

翼竜の足跡
ヘルクリーク層で見つかった珍しい翼竜の足跡。
二足で歩くのでなく、四足歩行をしていた事が示されている。

おや、お母さん達と再会したと思ったのに、また子トリケラが遊びに出かけているぞよ!!
この大きなスクリーンにもまた、近づくと人々の影が投影される仕組みになっており、
シルエットで人間と恐竜が共演する不思議な空間が出来上がっていたぞよ。

とことことこ・・・っと駆けてゆく恐竜達、動きがすばしっこく、写真に収めるのはなかなか難しい。

アメリカ・サウスダコタ州のヘルクリーク層で発掘されたエドモントサウルスの実物大腿骨!
6600万年前の化石を、実際に触れて体感する事が出来たぞよ。
硬く冷たい化石からは、悠久の時を超えた不思議な感慨が伝わってくるようだ・・・。
コツコツと弾くと、澄んだ音が響いた。

古生物の系統樹だ!
彼らがどの様に進化していったのか一目にわかるようになっている。
この系統樹はもちろん図録にも収録されていますよ。



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