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オダイバ恐竜博覧会2024 

レポート

 

▼巨大スピノサウルス襲来! オダイバ恐竜博覧会2024完全攻略!!

  •  ■第2会場

コンテンツ

 
 
第1会場
ティラノロボット編
第2会場
福井恐竜編
第3会場
スピノロボット編
会場外
ガチャピン編
限定グッズ
おみやげコーナー編
■第2会場〜福井恐竜編〜

第1会場を退場し、フジテレビ本社屋の野外エスカレーターを上昇。
次へ向かうにはここからエレベーターに乗り込む必要があるのだが・・・おろかなにんげんどもよ、再びチケットチェックだ!!
高所の広場は海風がビルにぶつかり超絶強化され唸りを上げる勢い・・・
野外でエレベーター列を待ちながら紙チケットチェックとは実に不合理な感が否めないがなんとかならなかったぞよか!?

しかし一度建物内に入場してしまえばずっと向こうまで快晴の続くなんと心地良い景色かな・・・。
おさらいすると、本展覧会は各エリア入場に際し2度のチケット確認があり、それらはどちらも野外で行われる。
動く恐竜ロボットが目玉の本展覧会にはごく小さなお子さんも連れて行ってとせがむ事でしょうが・・・
おろかなにんげぇんっ!!
体調管理は万全にし、春休みの休日は避け、温かな日中に足を運ぶ事をおすすめするぞよっ!!
あるいはお子さんにおかれましては、時には寒風の中長蛇の列に並び、待つ事を覚えるのも学びと言うものだ・・・!
勇んでやってくるのも良いだろう・・・恐竜達が君を待っているッ!!

第2会場はフジテレビ本社屋22Fとなっているが、エレベーター前でチケットを提示すれば第2と第3会場への行き来は任意となる。
ここから退場しなければ何度でも両会場を行き来する事が出来るぞよ!
途中通路にはトイレもいくつかあるので、何時間も入りびたるのも良いでしょう!
そんな両エリアの分かれ道では北陸ミニ新幹線・かがやきが運航中!
こちらは実際に線路の上を走っており、ちびっ子は乗車する事も出来るぞよ。

こちら/あちらの新幹線駅もありました。
新幹線開通記念に相応しいミニアトラクションぞよね!

第2会場のテーマは「恐竜研究最前線!」となる!
足を踏み入れると、恐竜研究の歴史がパネルで紹介されており、はじめに象徴的に登場するのは「イグアノドン(旧式生体復元模型)」、
水晶宮のイグアノドンぞよね!
こちらは2023年の「特別展 恐竜図鑑 | 失われた世界の想像/創造」レポートで詳しく紹介しているのでそちらを参照のことぞ!

「メガロサウルス・バックランディ(歯骨)」
この化石は1824年にウィリアム・バックランドによって地質学協会での講演で報告され、
メガロサウルスと言う学名が提唱されたもの。
この当時は「恐竜」という分類がなかった為、巨大な爬虫類かトカゲの仲間と考えられたぞよ。
イグアノドンと並び恐竜研究の最初期に発見され、世界で初めて正式な名前がついた獣脚類がこのメガロサウルスなのだ。
パネルでは1870年〜90年にかけてのオスニエル・マーシュとエドワード・コープによる「恐竜化石発掘競争」にはじまり、
1920年の「ゴビ砂漠での発掘調査」で多くの恐竜化石が発見され、特に恐竜の卵の発見という快挙があったこと、
20世紀後半に入り起こった恐竜研究の転換期「恐竜ルネッサンス」、
1996年以降、中国北東部遼寧省からの「羽毛恐竜の発見」などなど重要ポイントをわかりやすく解説。
続き「日本での恐竜研究のはじまり」として1895年に「恐竜」と言う言葉が初めて使用され、
樺太でのニッポノサウルス発見後の長い停滞期間があるも、
1978年に岩手県から竜脚類の化石が発見されると各地で恐竜化石の発見が相次いだ事などの説明ののち、
いよいよ現代の恐竜研究の話へと展示が続く構成であった。

本展覧会の学術的な目玉として挙げられるのが「福井の恐竜」達ぞよ!
舞台となる手取層群は主に福井・石川・富山・岐阜の4件に分布する中生代の地層で、恐竜化石が多く見つかっている。
手取層群が堆積したころ、北陸一帯は現在の位置になく、アジア大陸の東の縁にあったのだ。
福井県勝山市北谷町には、陸上で堆積した手取層群の「北谷層」(約1億2000万年前の前期白亜紀)が露出しており、
福井県が中心となって約30年発掘調査が続けられている。
フクイサウルス、フクイラプトル、フクイティタン、コシサウルス、フクイベナートル、ティラノミムス、
ヨロイ竜類、スピノサウルス科と言った様々な前期白亜紀の恐竜化石はこうして発見された成果なのだ!

「獣脚類の歯 加賀竜第一標本」
手取層群で最初に発見された恐竜化石の複製。
カガリュウは学名ではなくニックネームだ。

発掘現場からは恐竜以外の古生物も多くみつかっている。
こちらは「トリゴニオイデス・テトリエンシス」の実物化石。
見ての通り太古の淡水生二枚貝の化石ぞよ。

恐竜ではない太古の爬虫類「ワニ形類の全身骨格」複製。
1982年に発見されたもので、勝山市北谷の発掘の切っ掛けになった化石だと言う。
日本の中生代の地層からはワニの化石は歯などの断片的なものしか見つからないが、これは全身が保存された大変貴重なものである。
絶滅種のワニ、ゴニオフォリス科と言うグループに分類されるという。

そんなワニ形類と共に発掘されたのがこの「福井県勝山市産の恐竜化石(複製)」ぞよ。
当時は特定に至らなかったが、現在では恐竜の上腕骨だと考えられている。

「フクイティタン・ニッポネンシス(上腕骨)」複製
フクイティタンは竜脚類、ティタノサウルス形類とされる前期白亜紀の恐竜ぞよ。

「フクイティタン・ニッポネンシス(大腿骨)」複製
四足歩行で全長約10メートルと考えられる草食恐竜で、第3次調査の開始直前に発見された。
歯は小さなスプーン型、橈骨や尾椎骨に特徴があると言う。

「フクイティタン・ニッポネンシス(橈骨)」複製
アジアのティタノサウルス形類として、竜脚類の移動を考える上で重要な参考になる恐竜であるとされる。
2010年に記載、日本で初めて学名がついた竜脚類なのだ!

「コシサウルス・カツヤマ」複製
鳥脚類、前期白亜紀に生息したハドロサウルス上科の恐竜ぞよ。
学名は福井がその昔「越の国」と呼ばれた事に由来。
フクイサウルスより進化した一般的なイグアノドンの形態を示している。

おろかなにんげんどもよ、バラバラの部位ばかりでやや物足りなかったんじゃないぞよか?
いよいよ登場!
「フクイサウルス・テトリエンシス」の全身骨格模型だっ!!

前期白亜紀のイグアノドン類。
1989年からはじまった福井の恐竜化石発掘調査で、頭骨や体の骨が多数発見。
全身骨格が国内で初めて復元されたのがこのフクイサウルスだ!

最初の発掘から最新の復元骨格までに約10年の時間がかかったが、2003年には頭の骨の特徴を元に
新種の恐竜として学名がつけられるに至ったぞよ。
発掘現場ではフクイサウルスの子供と目されるイグアノドン類の化石も発見されている。

コシサウルスと違って、フクイサウルスは前期白亜紀のイグアノドン類としては原始的な特徴を頭骨に有している。
イグアノドン類は上顎が側方に可動する事で上下の歯が噛みあい、口の中で植物を咀嚼する事ができた。
しかしフクイサウルスにはこの特徴が見られないのだ。
イグアノドン類の口先は進化した種ほど幅広となり、一度に多くの植物をついばむ事が出来たと言う。
一方フクイサウルスは原始的な鳥脚類のようにとがった口先をしており、
どのように植物を咀嚼したかは目下研究中であると言う。

我々にとってはタカトミの動物フィギュア「アニアシリーズ」でもお馴染みぞよね!
フクイサウルスの通常ラインナップは現在廃番となっており、福井県立恐竜博物館の限定版のみで入手可能
なんと本展覧会のショップでも福井県立恐竜博物館限定モデルのアニアがちょこっと売られていました。
お台場で限定アニアを入手出来るチャンスかもしれないぞよ・・!?
(しかしフクイサウルスはわたくしの目の前で早速売り切れていたぞよ・・・早い者勝ちだ!!)

続いて「フクイラプトル・キタダニエンシス」全身復元骨格模型!!
前期白亜紀の竜盤類獣脚類恐竜で、ここではアロサウルス上科として紹介されていたぞよ!

福井県の発掘調査で見つかった肉食獣脚類で、2000年に全身骨格が復元、新種として学名がついた。
ジュラ紀から白亜紀にかけてのアロサウルス類の進化を知る上で重要な恐竜であると言う。
2010年の研究では大きなカギ爪や長い後ろ脚などを特徴とする進化型のアロサウルス類・・・メガラプトル類ではないかとも考えられている!
このようなメガラプトル類はコエルロサウルス類なのではないかとする研究もあり、
アロサウルス上科とするのとどちらが正しいのか、現在も結論は出ていないぞよ。

やはりタカラトミーの動物フィギュアであるアニアシリーズにおり、通年ラインナップの為ちびっ子にも認知度の高い日本の恐竜の一つだ!
フクイサウルスと共に、福井県立恐竜博物館の限定アニアにもラインナップされている
全身骨格は「恐竜博2023」にもやってきていたぞよね!
詳細はそれらのレビューやレポートも参照のことぞ!

玩具売り場でも出会う事が出来るのでフクイの恐竜はちびっ子人気もとても高い!
映画恐竜と合わせて、身近な恐竜になりつつあるのだ・・・!

恐竜研究最前線のアオリは伊達じゃない!
こちらは「フクイベナートル・パラドクサス」復元骨格模型ぞよ!
フクイベナートルは1体分の骨がまとまって見つかり、全身のおよそ70%もの骨が確認されている日本では珍しい恐竜だ。
これを上回るものは北海道むかわ町のカムイサウルスしかいない程ぞよ・・・!

フクイベナートルは全長2.5メートル程度の小型の獣脚類恐竜だが、
獣脚類でありながらその一般的特徴である鋸歯と呼ばれるギザギザのついた歯を持たない。
この事から純粋な肉食性ではなく、少なくとも雑食性・・・あるいは草食性であった可能性も考えられるという。
当初はドロマエオサウルス類と考えられたが、近年CTスキャンなどを用いて詳細な研究が行われた結果、
主に草食性として知られるテリジノサウルス類の原始的な種である事が判明したぞよ。

恐竜の脳は化石として残る事はまずないとされるが、頭骨の中の脳が収まっていたと思しき空洞を調べる事で、
その大きさや形、機能などを推測する事は出来る。
フクイベナートルの場合、脳や内耳の空洞が頭骨の中に綺麗に保存されていた。
CTスキャンを用いる事で、脳や内耳の形を明らかにすることが出来たのだ。
フクイベナートルは発達した嗅球を持っていた事から鼻がとてもよく、
三半規管と長い蝸牛管から、比較的俊敏で耳も良い獣脚類であった事が判っているぞよ。

そんなフクイベナートルの生体復元ロボットがこちらとなる!
2020年の福井県立恐竜博物館開館20周年を記念して製作されたと言うこのロボットは、
上体を大きく起こして翼を広げるポーズをとるなどアクションギミックも搭載。
大古のイメージ、恐竜の生きた姿をまざまざと見せつけてくれるぞよ・・・!

おめめを閉じたりと表情も豊か。
フクイベナートルもまた、タカラトミーの動物フィギュア「アニア」で一般販売ラインナップに登場している。
例によって福井県立恐竜博物館限定モデルも存在し、カラーリングはこのロボットとほぼ同じと言って良い。
玩具と合わせてフクイベナートルの紹介もこちらでしているので、詳細はレビューを参照のことぞ。

2007年の発掘調査で発見され、2016年に記載されたフクイベナートルは日本の恐竜の新しい仲間だが、
いち早くアニア化しており、その辺の玩具屋さんで買える・・・ばかりではない!
なんとアニアの発売に合わせて、アニメ「冒険大陸アニアキングダム」にも登場を果たしているのだ。
大人にはマイナーな一匹だが、ちびっ子には認知度の高い恐竜と言えるだろう!

このロボットは実にもふもふした可愛い造形をしているが、フクイベナートルの化石自体に羽毛の痕跡は見つかっていない。
しかし中国で発見されている近縁なベイピャオサウルスなどには羽毛の痕跡が残っている事から、
フクイベナートルもまた羽毛恐竜であると考えられる。
前述のアニアでも羽毛の造形が見られるが、ロボットほどもふもふしておらず、ダチョウのようなイメージぞよね。
(小さなフィギュアでもふもふ造形が表現できないと言う側面もあるが・・・)

上体を持ち上げ、けたけた鳴く等のアクションを見せるフクイベナトールロボ。
わたくしはまだ福井県立恐竜博物館に行ったことがないのだが・・・まさか向こうから会いに来てくれるとはね・・・!!
アニアでお馴染みのフクイサウルス、フクイラプトル、フクイベナートルを一度に見物出来て感激ぞよーっ!!

そしてそして・・・こんなバラバラだが本展覧会、第2会場最大の目玉の一つがこちらだ!
「ティラノミムス・フクイエンシス」の複製化石群・・・!
ティラノミムスもまた、前期白亜紀の小型獣脚類で、2023年に新種として報告されたばかりの正真正銘最新恐竜である!
ダチョウによく似た体型をした事で知られるオルニトミモサウルス類というグループに属する。
学名の由来ともなっている腸骨(骨盤の一部)の垂直稜は、これまでティラノサウルスの仲間の特徴と考えられてきたが・・・
このティラノミムスの発見で実は一部のオルニトミモサウルス類にも見られる特徴である事がわかったと言う・・・!
ティラノサウルスと同じ特徴を持った「ティラノもどき」と言う事で「ティラノミムス」というワケだ!

ティラノミムスは福井県で発見された6種目、日本では11種目となる新種恐竜だ!
国内でのオルニトミモサウルス類の発見例は少なく、頭骨など多くの部位は国内で初めて発見・報告されたもの。
当然新種としての報告も日本初となる。
上腕骨には他のオルニトミモサウルス類には見られない小孔が見られ、これが新種として認められる決め手となったぞよ。

推定全長は頭から尻尾までおよそ2メートル前後。
フクイベナートルと同じくらいのサイズ感ぞよね。

このような小さな骨を見つけ、硬い岩盤から掘り出すのは気の遠くなるような作業だろう・・・。
様々な困難な道程を幾度も乗り越えて、新種恐竜の発見に繋がってゆくのだ・・・!!

そんな世紀の大発見の奥には生体復元が並ぶ。
こちらは「トロオドン」生体復元模型。
後期白亜紀の獣脚類恐竜であるトロオドンは、大きな鋸歯がある歯一本から学名がつけられた。
「トロオドン=傷つける歯」というのがその由来だ。
極めて発達した脳と、正面を向き立体視に適した大きな目を備えた事から、
全長1.5〜2メートル程度の大きさの割に獰猛な肉食恐竜であると考えられたが、あまりにも大きな歯はむしろ肉を切り裂くのにはむかず、
植物を刈り取る為のものだったのではとも言われている。
繁殖について最もよく理解が進んだ恐竜の一つでもあると言う。

トロオドンはこのように卵を大事に抱卵していた事がわかっている。
そしてそれは恐らくオスの役割だった事も重要な事実ぞよ。
トロオドンの巣に卵は二つずつ産み付けられているので、トロオドンもワニ類と同じように左右で二つの生殖器系をもっていたと考えられる。
巣の中の卵は20個を超えるものがあり、現生ダチョウのように複数のトロオドンが巣を共同利用したかもしれない。
全ての卵が産み落とされたら、一匹のトロオドンが覆いかぶさり、抱卵を開始。
卵を産むのは大変な労力である為、メスは卵を産むと食べ物を探しつつ体力の回復に努めた可能性があると言う。
したがって産んだ直後の卵を温めるのはオスの役割であった・・・というワケだ。
ヒナが孵化する時は、地面の上に出ている卵の鈍端側から孵化しただろう。
ヒナは発達した後肢のおかげで、すぐに歩き回るようになったはずだ。
ダチョウのようにしばらく親について回り、エサの探し方などを覚えたかもしれないと言う。
なかなか可愛らしい光景ぞよね!

という事でこのトロオドンもたぶんお父さん恐竜だろう!
現生鳥類の多くは、下腹部に羽毛がなく皮膚が露出するものがある。
これは抱卵斑と言って、卵を温める時に都合が良い部分だ。
羽毛が生えていると、本人の体温を保つ事には都合が良いが、卵を抱いても熱が伝わらず困るぞよね?
お腹に抱卵斑がある事で、肌で直接卵を温める事ができるというワケなのです。
この生体復元はそんな鳥類の特徴から、説得力のある造形をしているのだ。

卵からヒヨコちゃんが生まれているぞ・・・!
これなんてもう完全に鳥ですね!
獣脚類恐竜の赤ちゃんはもふもふした可愛いヤツだったのかもしれないぞよ。

こちらは「マイアサウラ」の生体復元ロボット。
後期白亜紀の鳥盤類鳥脚類恐竜で、恐竜の子育て説が提唱されるきっかけとなった恐竜でもある。
1979年にはすり鉢状の巣の内側に15体の幼体が発見され、成体のマイアサウラがこの赤ちゃんを保護していたと発表されたのだ。
しかし、これに対する反論も1990年代からあり、まだまだ議論の続く最中にある。
この事から、マイアサウラは成長過程や繁殖形態の研究が最も進んだ恐竜の一種ともなったぞよ。

こちらの生体復元では卵が20個もあり、赤ちゃん恐竜達がぴょこぴょこ出たり入ったりしているのが可愛い。

マイアサウラの名は「良い母親トカゲ」の意である。
このロボットも優しいお母さん恐竜の姿をしているぞよね。
そしてなぜトロオドンとマイアサウラが並んでいるのかと言えば・・・
トロオドンはマイアサウラの卵や子供を狩る捕食者であったとも考えられているからだ!
どちらも子供を愛する親恐竜だが・・・食っていかねば生きていけん。
大古の野生は無常ぞよっ!!

恐竜の卵の化石は、それだけでは何の種の卵かまでわからない。
その為、卵には卵の学名がつく事になっている。
こちらは後期白亜紀の「マクロエロンガトウリートゥスの一種」という事になる。
マクロエロンガトウリートゥスは卵化石の学名であり、この卵を産んだ恐竜の名前ではないと言うワケぞよね。
マクロエロンガトウリートゥスの巣はどれも直径2メートル前後、巣の内側の空間が1メートル前後と恐竜の巣としては最大の大きさである。
したがって、大型恐竜の巣である事は発見当初から予想されていた。
そしてまた、卵化石には孵化前の赤ちゃん・・・胚の化石が残っているものもある。
このような胚の化石が見つかると、その卵がなんの恐竜の産んだものか判ると言うワケだ。
マクロエロンガトウリートゥスの場合もまた、胚の化石が発見された事で、
大型のオヴィラプトロサウルス類の巣である事が判明したぞよ。

続いて脳ミソコーナーです!
後期白亜紀の角竜類であるお馴染み「トリケラトプスの一種(脳函)」(実物)

トリケラトプスの脳化指数(体重に占める脳の割合で知性レベルを想定する数値・REQ)は2.14で、
恐竜の中ではあまり大きな脳とは言えず、特に大脳はとても小さい。
この事からトリケラトプスは本能的な行動を取る事が多かったと考えられると言う。
嗅球も比較的小さい為、あまり嗅覚には頼らなかったはずぞよ。
三半規管はプシッタコサウルスなど初期の角竜類と比べるとかなり小さいと言い、頭を素早く動かすような行動は出来なかった。
トリケラトプスの姿勢はクチバシが斜め下を向き、フリルは正面から全体が良く見えるような角度が自然な正位置であるという。
蝸牛管は比較的短く、低音を聞く事に適していた可能性がある。
遠くの音は低周波音として耳に届く性質がある為、トリケラトプスは遠くの音を察知し、敵から逃れていたのかもしれない。
・・・というようなことが、脳の入っていた穴などを調べる事でわかってくると言うのだ・・・!

「トリケラトプスの一種(脳函)」(実物)
古生物研究は骨の事だけ考えていても全貌はわからない。
恐竜学者に必要な素養が多岐にわたる事が、脳ミソ一つからも判るぞよね・・・!

前期白亜紀の鳥脚類「マンテリサウルスの一種(脳函断面)」(複製)
イグアノドン類の脳は直線的な形をしているが、恐竜の中では比較的大きな大脳を持っていた事が判っている。
また嗅球の発達から鋭い嗅覚を備えた事もわかる。
進化的なハドロサウルス科では大脳がさらに大きく発達しており、群れ社会や子育てと言った行動様式と関係していると考えられるのだ。

後期白亜紀の獣脚類でティラノサウルス科の「タルボサウルス・バタール(脳函断面)」(複製)
タルボサウルスと言えばティラノサウルスのそっくりさん!
この種の脳については、頭骨を真ん中で切って調べる事で多くの事が判明していると言う。
脳はティラノサウルスと似て細長く、より原始的な獣脚類と同じような見た目をしている。
骨格同様、ティラノサウルスとタルボサウルスは脳も非常に良く似た形態をしている事がわかっている。

さ〜て、第2会場の展示も終わりが近づいてきたぞよ・・・!
こちらは会場後半に出現するもう一体のフクイラプトルだ。
こいつだけ学名パネルがなく謎だったが、右下のパネルによれば
監修統括・柴田正輝先生と子どもたちが、福井から東京・お台場まで腿の骨を運び、手ずから取り付けると言う象徴的な催しがあったようである。

という事でこの第2会場にはフクイラプトルが二体もやってきていて豪華だった。

せっかくなので後ろからも撮っておきましょう・・・!

恐竜が柔らかい堆積物の上を歩いて足跡を残し、これが地層の中に保存され化石として見つかる事がある。
このような痕跡は世界中から見つかっているが、足跡化石は恐竜の行動や生活を探る重要なヒントであるとされる。
例えば、3歩以上連続した歩行痕があれば、その時の推定移動速度を計算する事が出来るし、
群れで行動した事や泳いでいた痕跡など・・・様々な情報が残る可能性があるワケだ。
こちらは2020年に発見された前期白亜紀の「獣脚類の足跡化石」で、福井県勝山市で見つかったもの。
足跡化石研究では単一の足跡を「足印」、連続した歩行痕を「行跡」と言うが、
国内で見つかる足跡の多くは足印である為、このような行跡の発見は貴重であると言う。
3歩以上連続した足跡が見られたため、この足跡を残した獣脚類は時速3〜3.5kmの速度で歩いたと推定出来る。
さらにこの獣脚類の腰の高さは、同じ現場から産出するフクイラプトルの腰の高さより12〜14%ほど高い1.7mと推定された。

前期白亜紀、福井県勝山市北谷の「竜脚類の足跡化石」
非常に大型の四足歩行の足跡である事から、竜脚類の足跡であると断定できる。
前足の足跡には指が残されていないが、後ろ脚には第1から4趾までの爪の跡も見られる。

前期白亜紀、福井県勝山市で見つかった「カリリクニウムの一種」
2021年に発見された鳥脚類の足跡化石。
足跡化石もまた、足跡そのものに学名がつく為、「カリリクニウム」とは恐竜の名前ではない。
足跡は3本指で、指球の痕跡がそれぞれの指に一つずつ残されている。
足底部には足底球の痕跡も残されており、3本指の足跡の前方にある小さな丸跡は、前足がついた時に残った跡だ。
この事から、イグアノドン類の中には四足歩行した種がいた事がわかる・・・という具合だ。

カリリクニウムと同じ時代の地層から発見されている鳥脚類の足跡化石
「アンブリダクティルスの一種」
カリリクニウムに比べて足跡が全体的に幅広く、中心の指が相対的に短いといった特徴が見られる。
同じ発掘現場から2種類のイグアノドン類が見つかっている事から、
足跡の違いは足跡を残した恐竜の種類の違いを示している可能性がある。

玩具でお馴染みのフクイ恐竜から、最新の恐竜、そして卵と足跡まで・・・!
第2会場は知的好奇心の深まる学術の場だったぞよね!
そんな第2会場のラストには・・・福井県立大学「恐竜学部」2025年4月新設(予定)の告知がででーんと掲載!!
恐竜学部って・・・卒業生みんな恐竜博士になるのか!?
就職とか大丈夫なのかーっ!?
と思ったおろかなにんげぇん・・・自分のおつむの出来をよ〜く思い出してみなされ・・・。
専門学校や大学でぐだぐだとモラトリアムを過ごした挙句、ブラック企業に就職し体を壊して故郷へ出戻る・・・
こう言う事がこの日本では幾度となく繰り返されているぞよ・・・っ!!
どうせ身につかぬのなら恐竜の事でも学んだ方がどれだけ徳が高いかわからないッ!!
恐竜学部は暗黒の日本に差し込んだ一条の光・・・ッ!!

おろかなにんげんどもよ・・・恐竜を学んで社会貢献しようじゃないかッ!!
というワケでまだまだ続くぞ、第3会場へレッツゴーぞよーっ!!


【第3会場レポートへつづく!】


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