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■3 圧巻!トンネル水槽でウミガメを見よう!! |

さて、アザラシとイルカの愉快なショーを見てすっかりお腹いっぱいと言ったところであるが、
ここまででまだまだ本館の紹介をようやく半分と言ったところぞ!
再び館内を進み、続いてやってきたのは「群れをつくる魚たち」のコーナーだ!

タイトルの通り、ここでは円柱型の水槽内をぐるぐると群れで泳ぐ魚たちが見られるぞよ!
これはマイワシの群れぞよね!
食用に利用される、所謂「イワシ」の一種であるぞよ!
日本でイワシと呼ばれる魚には他にウルメイワシ、カタクチイワシもあり、国内のみならず世界中で食されているのだ。

これはクロホシイシモチの群れである。
この魚はメスが産んだ卵塊をオスが口の中で孵化するまで育てる、子育てする珍しい魚であるぞよ!
このような習性を口内保育、マウスブリーダーと呼ぶ。
口内保育の間、オスは8〜10日間口を大きく開けて新鮮な海水を取り込み続ける為に、絶食すると言うのは健気である。
稚魚が生まれると、保育はそこで終了、
赤ちゃん達は親元を離れ、大海に泳ぎ出てゆくのは、気高くも涙の旅立ちであるぞよ・・・!

話が前後するが、この地下がトンネル水槽となっており、通路からも見下ろす事が出来るようになっている。
ウミガメとサメ(?)が合体している姿が見えるが・・・後で紹介するぞよ!

館内で展示されているのは魚ばかりではない。
この水槽では東京湾の海底に棲むイソギンチャクたちが見られる。
イソギンチャクは分類上、クラゲ類やサンゴ類と同じ刺胞動物門花虫綱と言うグループに入っているぞよ。
世界の海から3000種ほどが知られるうち、日本では670種見られると言うからなかなかのものだ。
左の目立つのはヒメハナギンチャク、右で花咲くのがムラサキハナギンチャクである。

これも東京湾に棲む魚以外の生き物、ヒシガニぞよ!
東京湾以南の水深30〜200メートルの海底に生息する、ハサミ脚の非常に長い奇妙なシルエットの甲殻類である。

こちらも蜘蛛のような奇怪なシルエットのオルトマンワラエビ。
甲長1センチ程の小さな体に、10倍以上のハサミ脚が伸びる。
エビと言うが、ヤドカリの仲間ぞよ。

このへばりついているのはマダコ。
所謂普通の「タコ」である。
そして本館にはタコはおってもイカがおらん。
イカは共食いをして飼育が難しいので、なかなか水族館でみられんのだ!
しかしシルエットが可愛く人気の生物でもあるので、イカが見られないのはしな水の弱点の一つかもしれんぞよ。

イボヤギ、エダイボヤギからなる美しい海のお花畑。
これらは所謂サンゴであるぞよ。
さながらお花のようだが、光を必要としない類の陰日性サンゴで、動物性プランクトンを食って生きている。

さて、ここまでで1Fの海面フロアは終了だ!
鏡張りの階段を下り、B1海底フロアへと突入するぞ・・・!
暗闇に鏡の無限回廊が続く階段は浮遊感とも水没感ともつかぬ不思議な錯覚を下るものに及ぼす・・・!
ゆっくりと慎重に下りてゆくぞよ!! |

地下エリア最大の目玉「トンネル水槽」の入口には美しい海底のアートが描かれている・・・!
そして、以前はこの辺りにクリオネの水槽があった様だが、現在は水槽ごと撤去されているようで残念ぞよ・・・。
リニューアル後にまた見られる事を期待しよう!

そして通路を進むと・・・ここが地下の目玉、トンネル水槽ぞよーっ!
全長22メートル!
深海を思わせる深い青の通路が、すっかり水槽をぶち抜いてまるで海底を泳ぐかの景色を間近で見る事が出来るのだ!
この日はハロウィンパーティー仕様だったので、やはりなんものオバケ達があしらわれていた。

天井を優雅に泳ぐのはアオウミガメである!
全部で三匹いて、羽ばたくようにゆくのはいかにも神秘的である。

アオウミガメは尻尾の長さで雌雄を簡単に見分ける事が出来るぞよ。
尻尾が短いのがメス、長いのがオスだ。
この写真の左上に見切れているオスの尻尾、思ったよりも長いのが見えるぞよね!
これはオスの特徴なのである。

そしてウミガメの背中には頻繁にコバンザメがくっついてタダ乗りしている。
サメとは言うが、実はスズキ目の魚で、軟骨魚類ですらない全然別の生き物ぞよ。

キラキラと水面が宝石のように輝く。
この向こう側が、さっき見下ろした通路に繋がっているってワケぞよね!

おっと、そうこうしていたら「水中ショー」が始まったぞよ!!
トンネル水槽内にダイバーのお姉さんが現れて魚達を紹介したり、おやつをあげる姿が見られるとっても楽しい催しだ!
お昼ごろと2時ごろ、一日二回なので見逃さないように注意しよう!
やはりこの日は水中ショーもハロウィン仕様でした。

貝や沈没船のレイアウトに、お魚達ものんびりと暮らしている。

そしてトンネル水槽の面白ギミック。
カメカメラ。

これはトンネル外のコントローラーシステムで操作して遊べる仕掛けなのだが・・・
この日は故障しているのか調整中だった。
随分ボロッちいし、ひょっとしたらリニューアルまでこのままかもしれんぞよねぇ。

トンネルを抜けると、タカアシガニの標本がでーんと登場。
かなりでかい、最大サイズかもしれんぞよ。

その下にいるのはオオクチイシナギという巨大魚だ。
最大体長2メートルに達するでっかい奴ぞ!
肉は白身で美味と言う。
しかし肝臓にビタミンAを持ち、大量に食うと中毒になって苦しむからほどほどにぞ! |

続いて「冷たい海の魚たち」コーナーぞよ。
北の海や深海など、水温の低い海に棲む魚達を特集する。

水族館あるある。
カップヌードルの縮む容器!
海に潜ると水深10メートルごとに1平方センチ当たり1キログラムの圧力がかかる、これを水圧と言う。
カップ麺容器を海に沈めると、水圧で潰れるが、均等に水圧がかかる為姿はそのまま、すっかり縮小されるように縮んでしまう、これは面白い!
その逆に、深海魚を地上に持ってくると、本来かかっているはずの水圧が無くなるので
体の構造を維持できず、内臓が飛び出したりして悲惨な事になってしまうのだ。
おろかなにんげんどもも、どせいさんみたいなブロブフィッシュ、見たことあるぞよね?
あの深海魚も、本来はブサイクな姿をせず、深海では単なる地味な魚の姿をする。
よく見る写真は水面に出てきて体がでろーんと崩壊してしまった結果なのである。

ハシキンメやツボダイ、ズワイガニたち。
食用にされる海の生き物ぞよね!
美味そうぞよ〜っ!!

こっちは生きたタカアシガニだ。
カニ類の中でも原始的な形質を保った古い種で、生きた化石と呼ばれるものの一種であるぞよ。
これも食えそうだが、水揚げしてしばらくすると身がどろどろに溶けてしまうので、食用にはあんまり向かないとされている。
しかし産地では名物として食われているぞよ。
ところで深海の生き物たちは赤い色をするものが多い。
太陽光は水深が増す程に水中に吸収され消えてゆく。
特に光の波長は赤い波長から先に吸収されるので、赤っぽい動物は水の中では黒く見えて目立たないぞよ。
従って深海生物は赤い色をする事で、闇に紛れて捕食者から隠れていると言うワケだ。 |

「クラゲたちの世界」のコーナーではその名の通りLED照明で演出された映えるクラゲ達が見物できる。
クラゲクラゲって、おろかなにんげんどもはクラゲが大好きぞよねぇ〜。

単にSNS映えを気にして写真を撮るのも良いが、クラゲの名前の一つくらい覚えて帰ったらどうなんだ!?
おい、水族館にやってくるカップルども!
乳繰り合ってないで生き物を見ろ!!
これはアマクサクラゲぞよ!!

これは日本近海で最も多く見られる普通種のカブトクラゲであるぞよ。
と言っても、こんなにクリア成型なのでは海岸から目視するのは困難であるぞよ。
しかも、殆ど水で出来ているので感触がなく、すくい上げようとしてもするんと逃げてしまう。
捕まえる時には海水ごとすくって採集するのだ。

これもなんだか見た事のあるクラゲ、カラージェリーフィッシュぞよ。
フィリピンに生息するクラゲで、その名の通り白、青、紺、赤紫など様々なカラバリがいる不思議なクラゲぞよ。
このカラーは実は体内に共生する褐虫藻による発色で、クラゲ自身の色ではない。
褐虫藻は光合成をおこないクラゲに栄養を供給するとは奇妙なうえにも神秘的な関係であるぞよ。

これも日本で広く見られるミズクラゲ。
大きいものでは傘の直径が50センチ以上になるものもいると言う。
ハロウィン仕様なのでなんもののオバケ達が描かれていて、水槽の向こうに立つとクラゲやオバケ達と写真を撮れる工夫もあった。

この水槽はしながわ水族館開館25周年を記念して公募された「夢の水槽」アイディアコンテストで選ばれたモチーフを元に製作された、
その名も「地球」水槽であるぞよ!
母なる地球は数多の生命を育む海を湛える豊かな星であるが、この水槽は逆に中身がすっかり海水なのだ。

プテラポゴン・カウデルニィやマンジュウイシモチが泳いでいる。
どっちも観賞魚として人気の魚であるぞよ。

クラゲコーナーの正面には開放型のウォッチング水槽があり、生物達を間近に観察する事が出来る。
どうももともとはふれあい水槽として手を突っ込んで遊んで良いコーナーだったようだが、現在は観察を主にしてタッチ禁止であるぞよ。

一見するとただの砂のようであるが・・・よく見るとコチの類が隠れている。

カレイのなかまやヒラメなどが砂に紛れて泳いでいるぞよ!
魚も知恵が廻るもので、こうして体色を砂に真似る事で景色に溶け込み擬態をすると言うワケだ!

「海の宝石箱」コーナーでは熱帯の海に広がるサンゴ礁の世界が再現されている。
色鮮やかなサンゴ礁に、いかにも熱帯魚って感じの魚達が集まっているぞよ!

カラフルな海中にはカラフルな魚達が溢れ、これも一種の保護色として作用しているのだ。

ユメウメイロやチョウハン、カスミチョウチョウウオなどが穏やかに混泳している。
とぼけた姿のハコフグの類も入っています。

その向かいは「テッポウウオ」のコーナーだ!
テッポウウオはインドから東南アジア、フィリピン、オーストラリアの河川、河口付近の汽水域で特に見られる魚ぞよ。
上顎に細い溝があり、舌を添えてエラを勢いよく閉じる事で、鉄砲のように水を噴き出し、昆虫や小動物を撃ち落として食ってしまうと言う、物凄い技を持っている。
どうやらご飯の時間になるとこの水槽の上に吊られた緑の葉っぱの皿にエサが貼りつけられ、
これをテッポウウオ達が打ち落として食う様が見られるみたいぞよね!

矮小な生命と侮るなかれ、時に魚までも技を磨き思いがけない力を手に入れるものなのだ。

「SATOUMI水槽」なるコーナーがあり、高知の「足摺海洋館」とのコラボ展示が設けられていた。
なんでも土佐(現在の高知)藩士である坂本龍馬が品川を流れる立会川の河口付近で砲台警護の任についていた縁から、
品川区と高知県は連携協定を締結しており、このコラボ水槽もその一環と言う事である。

かわいいハコフグや、

黄色のイロカエルアンコウなどが展示されていた。
カエルアンコウの仲間は体色の変異が様々あり、一見すると同種とは思えん程バリエーションに富む事で人気があるぞよ。
姿もゴツゴツして、怪獣みたいなヤツぞよね! |

しな水レポート(2024年10月)
その4へ続く→
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