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| ■多様性サークル・ゲノム時代の鳥の系統樹 |

かつておろかなにんげんどもは動物を見た目や生態から共通点を見出し、分類分けしていた。
しかし、これでは収斂進化のまやかしを見破る事が出来ず、
結果的に見た目が似ているだけで全く近縁でない他人の空似な生物をまとめて分類してしまうなどの間違いが生じてしまうぞよ。
近年では分子系統解析によって生命の本質を見破る事が出来るようになった為、
多くの分類が正されつつあるとは「大哺乳類展3」で特集されていたが・・・言わば本特別展はそれの鳥バージョン!
そう、鳥の系統樹もDNAのゲノム解析によってかなり修正されているぞよ!
上の写真がその新時代の系統樹なワケですが・・・鳥、細分化しすぎぞよ!!
や〜、これは絶対覚えられないですよ〜。

このコーナーでは「多様性サークル」と称して、最新のゲノム解析によって明らかになった鳥の分類、44目が視覚的に体感できる。
円柱がそれぞれの目を表し、その高さが種数を表しているのだ。
ある生物がもつ遺伝子DNA、すなわちゲノムを読み解き、多くのDNAを比較する事で、より信頼性の高い系統樹を得る事が出来るぞよ。
このゲノム時代で鳥のイメージは一新された。
一つには、白亜紀末の大量絶滅を生き抜いた鳥類種は1グループだけではなく、少なくとも3〜4の系統がいた事。
鳥の目は44にもなり、そのうち多様化したグループはほんの一部のみで、多くは少ない種で生き延びている事。
そして鳥の進化には見た目だけではわからない意外な流れがある事も判っている。

「オオタカ(タカ目タカ科)」
例えばこのオオタカと・・・、

「ハヤブサ(ハヤブサ目ハヤブサ科)」
このハヤブサは見た目にはそっくりで、いかにも近縁のように思われる。
実際、昔はそう考えられていたぞよ。

「オオハナインコ(インコ目インコ科)」
しかし、ゲノム解析によって進化の系統樹を整理してみると、
ハヤブサはタカ類よりもむしろ全然姿の似ていないこっちのインコ類に近い生物である事が解ったのだ。
このように、ゲノム解析により鳥の系統がはっきりした事で目の再編が行われ、
ハヤブサ目が立てられた事は中でも象徴的なものであるぞよ。
前述したように、鳥類は今のところ44の目に別れていると考えられている。
アマゾン流域に固有のツメバケイ目やマダガスカル島のオオブッポウソウ目のように、1種しかいない目もいれば、
世界中で見られるスズメ目のように、6700種が数えられる目もあり、種数には大きく幅がある。
これらの目は、多くの場合は白亜紀末の6600万年前から5000万年前までに分岐したものであると考えられるぞよ。
本特別展では、これら多様な現生鳥類達を、多くの剥製と共に学ぶ事が出来る!
その膨大な数をして、この会場には一生分の鳥が集結していると宣伝されている程であるから必見ぞ!!
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| ■古口蓋類〜走鳥類の仲間〜 |

11000種以上存在すると言われる現生の鳥は、口蓋の骨の形によって大きく古口蓋類と新口蓋類に分けられるぞよ。
これは白亜紀中頃に枝分かれしたと見られており、古口蓋類は口蓋の骨の形が爬虫類に似た古い形態をしているのが特徴である。
現生の古口蓋類は僅か5目5科14属59種と、鳥類全体から見れば極めて少ない。
この5目とは即ち、「ダチョウ目」、「レア目」、「キーウィ目」、「ヒクイドリ目」、「シギダチョウ目」であるぞよ。
古口蓋類の鳥達は一世代が長く、代謝が低い為ゲノムや遺伝子の進化が遅く、
飛翔性を喪失したものが多い為南半球から出られず、多くは大型化しており柔軟性に欠け、広く繁栄できなかったと考えられるぞよ。
その昔、古口蓋類はシギダチョウ類とそこから分化した走鳥類に分けられるという考え方が主流であった。
走鳥類はシギダチョウ類が大型化した結果、飛翔性を失ったグループと言う解釈である。
しかし、ゲノム解析により新たに判明した事には、このグループの系統樹の根元にいるのはシギダチョウ類でなくダチョウであると言う事である。
そして古口蓋類の進化と大陸分裂の順序は一致しない事もわかってきた。
要するに、各大陸で見られる走鳥類の祖先は飛翔性を保っていたが為にそれぞれの生息地に根付く事が出来た。
そしてそのあとでそれぞれ別に無飛翔化したという事ぞよ。
するとなぜ南アメリカ(後述)以外の場所で飛翔力のある種が残らなかったのかと言う疑問が生じるが・・・それは生命の神秘。
鳥の不思議の一つであるぞよ。
走鳥類は数が少ないので一つずつ紹介いたそう!!

「ダチョウ(ダチョウ目ダチョウ科)」
足元にいるのは雛であるぞよ。
前述の通り、ダチョウ目は古口蓋類の系統の根元に位置するグループ。
主にアフリカ大陸で見られるが、アラビア半島の一部にも生息している。
鳥類で唯一趾が二本しかない変わり者であるぞよ。
これは馬などと同様、走る事への適応進化と考えられている。
確かに馬も足の先が蹄になって指が一体化しているぞよね!
ちなみにダチョウ以外の走鳥類の趾は三本である。

こっちはそんなダチョウの全身骨格。
ダチョウはサバンナ暮らしで、地域によっては草食性の哺乳類達と同じように雨季と乾季で大移動を行う。

「レア(レア目レア科)」
レア目は南アフリカに生息する走鳥類。
以前は走鳥類は全てダチョウ目にまとめられていたが、無飛翔への進化がダチョウとは別々に起こった事がわかり、現在は4つの目に細分化しているぞよ。
レア目の分岐は走鳥類で最も早く、4300万年前の始新世中ごろにダチョウ類から分岐したとされている。
南アメリカ南東部に分布するレアと、南アメリカ南部パタゴニア地方からアンデス南部に分布するダーウィンレアの2種からなる。
かのダーウィンはその辺のレアを単なる若鳥と思って焼き鳥にして食っていたら、
どうやらそいつこそ探し求めていた小型の別種だと気づき、焦げた骨を慌てて持ち帰ったと言う逸話があるぞよ。

「コマダラキーウィ(キーウィ目キーウィ科)」
このきゃわわなキーウィはニュージーランド固有の走鳥類ぞよね!
走鳥類の中では最軽量で5種が知られるが、DNAを分析したところ、走鳥類最重量クラスのエピオルニスと近縁である事が解った。
エピオルニスと言えば、上野動物園内に立派な立像があるでっかいあいつである!
体重の4分の1もの重さになる卵は、かつて大型だった事の名残と言うワケだ。
興味があるおろかなにんげんどもは、博物館を出た後動物園の方にも見物に行って見ると良いかもしれませんね。

走鳥類の中でも特に翼が退化しており、2センチ程度の突起しか残っていない。
また、鼻孔が嘴の先端にある唯一の鳥でもあるぞよ。
嘴を地面に突き刺し、地中の匂いを嗅ぐ事で土中のミミズなどを探し出し食すのだ。
夜になるとキィーっ!キィーっ!とけたたましく鳴くのでこの名がついた。
日本では中国原産のキウイフルーツの方が馴染み深いが、似てるからキウイ鳥って名付けられたわけではないぞよね。
もともとこいつが元祖キウイなのだ。
キウイフルーツはニュージーランドで品種改良され、1959年に輸出される際にニュージーランドの果物と言う意味で命名されたぞよ。

まだまだいるぞ、走鳥類!

「ヒクイドリ(若鳥)」
こっちはまだまだ修行中のヒクイドリ。
この頃はまだカスク(頭部の角質部)がない。

「ヒクイドリ(ヒクイドリ目ヒクイドリ科)」
そして大人バージョンぞよ。
ヒクイドリ目はオーストラリアとニューギニア島に分布する走鳥類で、ヒクイドリ科のヒクイドリ属3種とエミュー属1種からなる。
メスの方が大きく、連続的一妻多夫、あるいは一夫一妻で繁殖し、オスはメスの助けを借りずに卵と雛をお世話すると言う。
超低周波音で日常的にコミュニケーションを取る唯一の鳥グループともされる。

こちらはヒクイドリの骨格ぞよ。
ヒクイドリは走鳥類で唯一熱帯雨林に生息するとされ、普段は臆病な性質だが、
ひとたび怒り出すと長い爪を使った蹴り攻撃を繰り出すが為に、最も危険な鳥とも言われる。

「エミュー(ヒクイドリ目ヒクイドリ科)」
オーストラリア固有種でほぼ大陸全土に生息。
かつては4種知られたが周辺島の固有亜種は絶えてしまい、現在は大陸の基亜種のみ見られるぞよ。

「チリーシギダチョウ(シギダチョウ目シギダチョウ科)」
前述の不思議がこいつ。
南アメリカ、チリ中部固有の古口蓋類ぞよ。
古口蓋類の中で唯一飛翔性を残した鳥だが、飛ぶのはへたくそ。
複数のメスが同じ巣に産卵する事があり、抱卵と子育てはオスが行う。
このような方法はレアでも見られるぞよ。

古口蓋類と新口蓋類の頭骨比べぞよ!
前述の通り、古口蓋類の中でも最も古いダチョウの口蓋は爬虫類の口蓋とよく似ている。

そしてこっちは卵の大きさ比べ。
大きな鳥は大きな卵を。
小さな鳥は小さな卵を産む傾向にある。

左は「エピオルニスの卵」、右は「コマダラキーウィの卵」ぞよ。

キーウィはほんの小さな鳥だが、前述したようにデッカイ卵を産む。
これはキーウィがエピオルニスに近縁である事の名残と言われるが、その共通祖先は小さく飛翔性があった。
おろかなにんげんどもに絶滅させられたエピオルニスだが、その最大種「エピオルニス・マキシマス」は体高3メートル、体重は500キロあったという。
その卵は直径32センチ、短径24センチ、卵殻の厚さは3〜4ミリあったと言い、恐竜を含めても最大級の大きさであるぞよ。
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| ■新口蓋類・キジカモ類 |

次はカモやキジの仲間を特集する!
新口蓋類は中生代が終わるまでには古口蓋類から分岐したとされ、複数の系統に分かれた。
そのうち少なくとも3つの系統は白亜紀末の大量絶滅を乗り越え、現代まで繋がっているぞよ。
中でもキジカモ類はおろかなにんげんどもが古くから家禽として利用してきたグループである。
左からざっくり紹介すると「カンムリサケビドリ(カモ目サケビドリ科)」、「オオハクチョウ(カモ目カモ科)」、「コブハクチョウ(カモ目カモ科)」、
「ヨシガモ(カモ目カモ科)」
「ヒシクイ(カモ目カモ科)」、「コクガン(カモ目カモ科)」
「オシドリ(カモ目カモ科)」、「ミカヅキハシビロガモ(カモ目カモ科)」、
「アカハシリュウキュウガモ(カモ目カモ科)」、「シロガオリュウキュウガモ(カモ目カモ科)」であるぞよ。

中には同じ種で二羽並んでいるものもあるが、これは雌雄の違いである。
写真中央のオシドリは左がオスで右がメスぞよ。
なんでオスの方が目立つ色をするかは後述とする。

ヨシガモから続いて「マガモ(カモ目カモ科)」、「ハシビロガモ(カモ目カモ科)」、「カルガモ(カモ目カモ科)」

「トモエガモ(カモ目カモ科)」、「キンクロハジロ(カモ目カモ科)」

「ホシハジロ(カモ目カモ科)」、「アラナミキンクロ(カモ目カモ科)」、「シノリガモ(カモ目カモ科)」、「クロガモ(カモ目カモ科)」
「ビロードキンクロ(カモ目カモ科)」、「ミコアイサ(カモ目カモ科)」、「ウミアイサ(カモ目カモ科)」
カモ目は全体に丸みを帯びた肉付きの良い水鳥で、ガンカモ類とも呼ばれる。
世界中に数多跳梁する一大勢力で、カモ科53属174種のほか、
局地的に分布する2つの科として南アメリカのサケビドリ科2属3種、
オーストラリアからニューギニア島のカササギガン科1属1種、
計3科56属178種からなるぞよ。

展示は頭上の高いところにもあるので見逃さないように!
こちらは「カマバネシャクケイ(キジ目ホウカンチョウ科)」、「メスグロホウカンチョウ(キジ目ホウカンチョウ科)」ぞよ。
と言う事でここからキジ目コーナーだ。

「パラワンツカツクリ(キジ目ツカツクリ科)」、「ホロホロチョウ(キジ目ホロホロチョウ科)」
ここからは走鳥類と違って数が多いので一つ一つ取り上げて紹介する事はとてもできん!
と言う事で興味のある鳥がいたら各々で勝手に調べるように!!

「クロライチョウ(キジ目キジ科)」、「エゾライチョウ(キジ目キジ科)」

「エリマキライチョウ(キジ目キジ科)」、「チベットセッケイ(キジ目キジ科)」

「カンムリシャコ(キジ目キジ科)」、「コジュケイ(キジ目キジ科)」、「ウズラ(キジ目キジ科)」、「マダガスカルシャコ(キジ目キジ科)」

「ヒオドシジュケイ(キジ目キジ科)」、「ハッカン(キジ目キジ科)」

模様が美しいぞよねぇ。
なんだかわからん鳥でも、見た目を楽しむだけでも十分に面白いのだ。
全ての鳥をこの特別展で覚える事など不可能に近い事であるからして、
可愛い鳥、カッコいい鳥、興味のあるものを見つけたら深掘りして調べてみるのが良かろうと思う!

「エボシウズラ(キジ目ハウズラ科)」、「カッショクコクジャク(キジ目キジ科)」

「ヤマドリ(キジ目キジ科)」

ヤマドリは本州、四国、九州に分布する日本固有種ぞよ。
その名の通り山に住まい、翼を胸に打ち付けて音を出し縄張りを主張する。
キジの仲間のするこれをホロ打ちと言うぞよ。
キジに似たポケモンに「ケンホロウ」と言うものがいる。
これは「けんもほろろ」から来ている名とされるが、元を辿れば「ケン」も「ホロロ」もキジの鳴き声が由来である。
そして「ホロロ」の方が指すのが、このホロ打ちの音である・・・と言う説もある。
わたくしが考えるに、ケンホロウはこのホロ打ちにも由来するポケモンであると思うぞよ。

「ツノウズラ(キジ目ハウズラ科)」、「コリンウズラ(キジ目ハウズラ科)」、「カンムリコリン(キジ目ハウズラ科)」
キジ目は古口蓋類から分岐した後も陸上生活を続けたグループ。
走りも得意だが飛翔性を失う事は無く、緊急時には力強く羽ばたき短距離を飛行して逃れるぞよ。
しかし、多くの種は渡りをするほどの飛翔力は持たない。

「キジの雛(キジ目キジ科)」
キジ類、カモ類の雛は孵化した時点で羽毛に覆われ、自分で餌も啄む事が出来るおりこうさんであるぞよ。
従って両親のお世話を必要としない気高さを備えている。

そんな親はこちら「キジ(キジ目キジ科)」、日本の国鳥ぞよね!
多くのキジ類やカモ類では、メスは保護色の為に地味な褐色をして、オスでは派手な目立つ色をする。
ここまで並んで展示されている鳥がいくつかいたが、派手な方がオスぞよ。
派手な色を纏っているという事は、目立って外敵に襲われやすくなる。
それでも生き残っているオスは逞しく気高い強いオスである・・・こういう見方が成立するぞよね。
従ってメスは派手な強いオスを好んで交尾の相手に選ぶわけぞよ。
強い奴の卵を産んだ方が無常な野生の世界で子孫を繋ぐ為に有利だからだ。 |

おろかなにんげんどもに最も身近な家禽・ニワトリもまたキジ目の鳥であるぞよ。
紀元前1800年ごろまで続いたインダス文明のモヘンジョ・ダロ遺跡から出土した粘土像と印章から鑑みるに、
ニワトリは夜明け前に鳴く習性から太陽を呼ぶ鳥と解釈され、神聖な動物として扱われていたと考えられる。
家禽の中で最も古いものは長江河口のガチョウで7000年前まで遡ると言う。
一方ニワトリが食用の為に家禽化されたのは紀元前1500年ごろのタイ北部での事。
その後、鳴き合わせや闘鶏、鑑賞、愛玩用、食用、採卵用など様々な品種づくりが盛んに行われ、
現在ニワトリは日本だけでも約45品種、世界では250品種もあると言うぞよ。
ニワトリは古くから人の営みの傍にいた鳥と言うワケだ。

「セキショクヤケイ(キジ目キジ科)」
ご覧の通り多種多様な形態をしたニワトリが生み出されてきたので、かつては他のヤケイが混血している事も疑われていたが・・・、
その起源はこのセキショクヤケイ1種のみにある事が近年のゲノム解析によって明らかになっているとは驚きぞよね。

「キジ(亜種キジ)(キジ目キジ科)」、「タイリクキジ(亜種コウライキジ)(キジ目キジ科)」

「キジ(亜種シマキジ)(キジ目キジ科)」
日本の国鳥でありながら長らく固有種でなかったキジさん・・・
ところが2024年9月に出版された「日本鳥類目録(第8版)」にて、遂に日本のキジが固有種に格上げされたとはめでたい事です!
この剥製も嬉しそうぞよ〜!

「ホントウアカヒゲ(スズメ目ヒタキ科)」
「オリイヤマガラ(スズメ目シジュウカラ科)」、「オガサワラカワヒラ(スズメ目アトリ科)」、「リュウキュウキビタキ(スズメ目ヒタキ科)」
ここに並ぶ者達もこの度新たに日本固有種として認められたぞよ。
こっちの見るからに死んでる剥製は「仮剥製」と言う状態。
展示用に生体イメージで活き活きと作られた「本剥製」と違っていかにも死体ですが、
内部に芯と綿を詰めるだけで短時間で作成でき、収納スペースも食わず、長期間の保存にも耐えると言う事で、
研究利用を目的とする時はこの仮剥製状態で保管するのが便利なのだ。
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その3へ続く→
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・「ウービア 桜文鳥」
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