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| 3. P-T境界(史上最大の絶滅) |

P-T境界とは「ペルム紀」と「三畳紀」の頭文字からなる名前で、二つの境であるぞよ!
ペルム紀末の大量絶滅は地球史上で最大規模であり、海域生物の属の56〜66%、種の80〜86%が絶滅。
加えて陸上生物が属の89%、種の97%が絶滅に至ったと言うから死屍累々ぞよね!?

「P-T境界の模式地層(中国 ペルム紀/三畳紀)」
約2億5200万年前に西シベリアの大地でシベリアLIPの噴火活動が始まり、数百万年に渡って火山ガスが放出。
この影響で急速な寒冷化と、その後長期に渡って地球温暖化を引き起こし、環境は激変。
更に火山ガスは有毒成分を含んだため、強酸の雨を降らせオゾン層を破壊し、これが陸上生物に大ダメージを齎したのだ!
勿論、こんな雨が降ったのでは水中の生き物もひとたまりもない。
地球の生命はみんなみんな絶滅してしまったぞよ。

火山活動によって放出された温室効果ガスによりやがて気候は温暖化。
表層の海水温が上昇すると海水が垂直方向に循環し辛くなり、大増殖した植物プランクトンは分解される際に酸素を消費、
海中の酸素濃度を著しく低下させたぞよ。
このような海洋の無酸素化イベントも地層に痕跡として残されている。

「シュードフィリップシア(三葉虫綱プロエタス目 岩手県陸前高田市 ペルム紀前期) 実物」
カンブリア紀とオルドビス紀の海で繁栄した三葉虫もこのペルム紀末に姿を消しているぞよ。
デボン紀後期の絶滅を乗り越えた唯一の目であった「プロエタス目」もここでばいばいぞよ・・・!
ここまでいっぱい出てきてくれてありがとう、三葉虫・・・!!
安らかに眠ってくれ!!

カンブリア紀に出現した腕足動物もずっと大繁栄時代が続いたが、このペルム紀末の大絶滅で大打撃を受け多様性を回復させる事なく今に至る。

ペルム紀に入ると陸上は温暖化と乾燥化が徐々に進み、熱帯域の湿地が縮小し、より乾燥に強い裸子植物が活躍するようになる。
石炭紀以降の高酸素濃度で繁栄した昆虫類は樹液や胞子を利用する様になって多様化し、
脊椎動物達も高酸素濃度に適応し陸上を支配し始めた。
我々哺乳類に繋がる系統である「単弓類」のディメトロドンなどはこの時代で良く知られた古生物ぞよね!

フズリナ類はペルム紀に入って巨大化を遂げ、長さ10センチを超える種も知られている。
死後殻が水流によって運ばれ堆積し、ご覧の様に固まった状態で化石化しているぞよ。

「ロブストシュワゲリナ(レタリア門有孔虫亜門フズリナ目シュワゲリナ科 岐阜県高山市 ペルム紀前期) 実物」

「ヘリコプリオン(軟骨魚綱エウゲネオダス目 アメリカ ペルム紀前期) 実物」
ヘリコプリオンはペルム紀に栄えた軟骨魚類で、螺旋形に巻く奇怪な歯を持つ事で知られているぞよ。
サメの顎にぐるぐるの歯がついたヤツ、おろかなにんげんどもも見た事あるぞよね?
この巻いた歯は上に付くのか下に付くのか議論があったが、近年では頭骨と関節した歯が見つかっており、
下顎に位置していたことが判明している。

この日本でも岐阜県、滋賀県、栃木県などにペルム紀の石灰岩が分布しており、多種多様な化石が見つかっているぞよ。
ごく小さな化石は通常の発掘作業でガチンガチン岩を割っていたら一緒に砕けて無くなってしまうぞよ。
そこで酸処理により取り出すと言う方法がある。

石灰岩をギ酸につけて溶かす事で、ケイ酸などギ酸に溶けにくい成分で出来た小さな化石だけを残し、取り出す事が出来ると言うワケぞよ。

岐阜県西部の金生山はペルム紀中期〜後期の海山の頂上で形成されたサンゴ礁由来の石灰岩からなる。
19世紀の終わりごろから盛んに古生物研究が為されてきた地であり、
ここに産する様々な化石は他の同時代のものよりも抜きんでて巨大である事が知られる。

「ベレロフォン(軟体動物門腹足綱?ベレロフォン目ベレロフォン科 岐阜県大垣市金生山 ペルム紀中期) 実物」
ペルム紀中期は世界の浅海の生物生産量が高まった時期であり、これが巨大化の一因であると考えられるぞよ。

「シカマイア属の一種(軟体動物門二枚貝綱ミアリナ目アラトコンカ科 岐阜県大垣市金生山 ペルム紀中期) 実物」
P-T境界のおよそ800万年前には世界的な寒冷化、あるいは海洋酸性化、無酸素化のような事が起こり、
フズリナ類、アラトコンカ類、四放サンゴ類などは絶滅してしまった。

「アラトコンカ科の一種(軟体動物門二枚貝綱ミアリナ目アラトコンカ科 岐阜県大垣市金生山 ペルム紀中期) 実物」

金生山を代表する巨大腹足類である「ニッポノマリア」
殻の幅が25センチを超えるものも知られているぞよ。

金生山から産出する2種のオウムガイ類「タイノセラス」と「シーロガステロセラス」もやはり殻が25センチを超える巨大種であるぞよ。 |

ペルム紀の陸上を支配した単弓類は我々哺乳類に繋がるグループであるぞよ。
恐竜やその近縁種を含む双弓類(竜弓類)とは姉妹関係にあり、どちらかと言うと姿も爬虫類然としている。
比較的短い四肢が胴体から側方に張り出し、腹這いに近い姿勢で地上を闊歩していたぞよ。
印象化石から、身体は鱗で覆われていた事も判明している。

「ディアデクテス(頭骨)(四肢動物ディアデクテス形類 アメリカ 石炭紀〜ペルム紀) 実物」
ディアデクテス形類は石炭紀後期〜ペルム紀前期の地層から見つかる最古の陸生植物食脊椎動物ぞよ。
口先の杭のような形をした歯で植物を食いちぎり、後ろに並ぶ横に広い歯で磨り潰して食べていたと考えられている。

「ディアデクテス(頭骨) レプリカ」

「コティロリンクス(全身骨格)(単弓類真盤竜類カセア類 アメリカ ペルム紀前期) レプリカ」」
大きな体は栄養価の低い植物を消化する為の進化であるぞよ。
頭頂部に第三の目の穴が開いており、この頭頂眼は光を感知する機能を備えたとされている。

単弓類は眼窩の後ろに側頭窓と呼ばれる穴が一つだけある事が哺乳類との共通点であるぞよ。
双弓類では側頭窓が二つ開いており、明らかに特徴が異なるのだ。

ペルム紀を通じた気候変動は気候や地域に固有の植物分布を齎した。
日本のペルム紀植物では、米谷植物群から多数見つかる「テニオプテリス」が代表的。 |

生物の大量絶滅は大体火山活動と連動して起こっているぞよ。
超巨大火山と呼ばれるものは地球上に点在しており、これが巨大火成区・・・「LIP」と呼ばれている。
恐竜絶滅は隕石が要因と語られる事が多いが、やはり白亜紀末の大量絶滅にもデカンLIPが関わっていたことが判明しているぞよ。
地球のLIPの中で最大規模を誇るのがシベリアLIPであり、約2億5200万年前、ペルム紀末の大量絶滅はこのシベリアLIPの火山噴火が関係したのだ。
前述の通り、ペルム紀末の大量絶滅は地球史上第最規模。
従って本エリアには火山噴火をイメージした情景が広がり、マグマが流れ出す演出が施されていた。
会場の床マグマはこのエリアから流れ出るものだったのだ!!

「ディメトロドン(全身骨格)(単弓類真盤竜類スフェナコドン類 アメリカ ペルム紀前期) レプリカ」
ペルム紀のアイドル・ディメトロドンもここに登場しているぞよ!
ご存知背中に帆のある単弓類で、よく玩具にもなるヤツぞよね!
って、お、おい〜・・・!
このディメトロドン・・・いつもの半分このヤツじゃん!
絶対ペルム紀代表で生体復元模型が並ぶと思ったのに・・・まぁ背景は豪華ですが・・・。

帆の機能は諸説あり、ディスプレイの為だったとか体温調節機能を備えたとか色々言われているぞよ。
恐竜然とした姿だが爬虫類のご先祖でなく、我々哺乳類の遠い遠いご先祖様なのだ。

そして肉食動物で、当時の生態系では上位の捕食者であったと考えられている。
でも正直・・・あんまり強そうではないぞよね。

マグマは照明でドロドロ流れる演出が為されていました。

「ウタツサウルス(全身骨格)(魚竜形類魚鰭類 宮城県石巻市 三畳紀前期) レプリカ」
オルドビス紀末やデボン紀後期の大量絶滅後は数万〜数十万年で生物多様性が回復したのに対し、
ペルム紀末の大量絶滅では500万年以上かかったとされているぞよ。
湿地の森林が崩壊した後、500万年もかかって再び森林が構成される頃には、植物の種類もすっかり入れ替わっていた。
ペルム紀末には単弓類の多くも絶滅したが、小型のキノドン類や植物食のリストロサウルスなどはごくゆっくりと回復しつつ三畳紀まで生存。
意外な事に大量絶滅から1500万年経ても小魚や昆虫を食べる動物は存在しなかったぞよ。
これは絶滅からの回復がようとして進まず、食物連鎖が不完全なままであった事を示している。
海では壊滅したサンゴ礁が回復するまでに2000万年もかかったとされる。
一方で三畳紀前期には生き延びた二枚貝や腹足類、アンモナイトやオウムガイなどが多様化し、
全長3メートルに達する大型水棲爬虫類のウタツサウルスなども現れた。

ウタツサウルスは宮城県から産出する世界最古級、最も初期に分岐したとされる魚竜形類ぞよ。
宮城県の大沢層からはこのような原始的な特徴を保持した魚竜形類が多数見つかっているが、
その殆どがウタツサウルスであると見られている。

こちらはそんなウタツサウルスの部分骨格の実物ぞよ。
魚竜形類の魚鰭類は白亜紀後期まで海の捕食者として存在感を保つ事となる。

魚竜ってあんまり玩具にならないぞよね。

そろそろタカトミアーツの「あそべる生物」で出して欲しいぞよよ〜!

ゾーンにかかるイラスト幕。
陸上では単弓類が、海では魚竜が息づいている。 |

三畳紀前期は水深20メートル〜80メートルより深くの波が作用しない海は酸素欠乏で大型の生物は苦しい環境だったぞよ。
この為に大部分の生物は浅海粋の限られた水深で生活を余儀なくされた。
そこではペルム紀の大絶滅をしぶとく生き残ったものや、三畳紀になって多様化した者達が混在していたぞよ。

三畳紀前期にはオウムガイが多様化し、中には「異常巻き」と呼ばれる殻の解けた者も現れだした。
このような異常巻きオウムガイは中生代と新生代を通して三畳紀最前期にのみ出現したとされる。

三畳紀前期の後半になると、殻にイボや棘などを持つアンモナイトが多くなってくる。
これは魚竜類や魚類が増殖し、大型二枚貝やウミユリが繁栄した時期と一致しており、
どうやらペルム紀末の大量絶滅によって崩壊した生態系が回復し、
捕食者の圧が高まってきた事を受けての防御能力の進化と考えられるぞよ。

「オリビエロスクス(部分骨格)(単弓類獣弓類テロケファルス類 南アフリカ共和国 三畳紀前期) レプリカ」
単弓類の一系統として枝分かれした獣弓類から出現したキノドン類は、ペルム紀末の大量絶滅を生き残った者達であるぞよ。
我々哺乳類のご先祖様である。
オリビエロスクスなどを含むテロケファルス類はそんなキノドン類と姉妹関係にあるぞよ。

「バウリア(頭骨)(単弓類獣弓類テロケファルス類 南アフリカ共和国 三畳紀前期) レプリカ」

「キノグナトゥス(頭骨)(単弓類獣弓類キノドン類 南アフリカ共和国 三畳紀中期) レプリカ」
キノドン類は段階的に哺乳類的な特徴を獲得してゆき、三畳紀後期に遂に哺乳類が誕生する事となる。

史上最大規模の絶滅によって各地の植物も多く破壊されてしまったぞよ。

「プレウロメイア(小葉植物類 宮城県気仙沼市 三畳紀前期) 実物」
三畳紀前期のプレウロメイアはウタツサウルスと同じ大沢層から見つかる。
浅い海に流され化石となった為に、各部位はばらばらであるぞよ。

復元模型はこんな感じで、幹の先端に胞子嚢穂がついている。
クリスマスツリーみたいでちょっと可愛いぞよね!
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その4
「T-J境界 恐竜の時代への大変革」
につづくぞよ!→
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