本文へスキップ

〜ときてっとのホームページ〜

昆虫MANIAC(2024) 

レポート

 

▼昆虫MANIAC展・徹底レポート!!

  •  ■夏の上野・国立科学博物館

コンテンツ

 
その1
導入〜トンボの扉
その2
ハチの扉
その3
チョウの扉
その4
クモの扉
その5
カブトムシの扉
その6
ムシと人
その7
おみやげコーナー
限定グッズレビュー
■その2・ハチの扉

続くエリアは世界では15万種も知られる「膜翅目」の昆虫達のコーナー「ハチの扉」ぞよ。
本特別展ではこれらを指して「ハチ目」と言う言葉が用いられている。

各扉の入り口にはテーマとなる昆虫の仲間達が並ぶ円形の窓があり、一口にハチと言っても色彩・形態の実に多様な事がひと目に判る。

このエリアの拡大模型は奇怪なフォルムをした「エゾオナガバチ」約75倍スケールぞよ!
これは長い産卵管を垂直に突き立て、樹木内に潜むキバチの幼虫体表に産卵し、寄生すると言う恐ろしい生態を持っている。

尾を折り曲げ、長い産卵管を突き刺す様はまことに奇天烈なシルエットであるが、
更に奇妙なのはどうして樹木の中にキバチの幼虫がいる事がわかるのか・・・サイコパワーで透視しているとしか思えん不思議だ!
どうやら長い触角で樹表をトントコ叩き、幼虫のいる事を探り当てるようである・・・そんなんでわかっちゃうもんなんですね〜。

このように、ハチには様々な昆虫やクモなどの虫に寄生する寄生バチと言う一群がいるぞよ。
その不気味な生態もこの扉で特集されている。

寄生バチである「エゾオナガバチ」の実物標本。
遠目にも長い産卵管が見えるぞよね。
隣は哀れな寄主、「クロヒラアシキバチ」である。
エゾオナガバチはあろうことか同じハチ目に寄生しているというワケぞ。

さて、一口に蜂と言っても、他者に寄生するものから社会生活を営み蜜を集めるものまで実に多様である。
ここではハチ目とわかりやすく説明されているが、より正確にこれらは「膜翅目」の仲間であるとは前述した。
つまり、膜状の翅をもつ昆虫共と言う事だ。
ここに飾られた「オオスズメバチ」のように、蜂は強力な神経毒を持ち、攻撃的な虫の一つと言うイメージが強い。
我々が恐れるものを、昆虫もまた恐れるぞよ!
昆虫にはハチに擬態するものが数多いる・・・つまり、姿形を似せ、飛び方まで真似をする事で、
毒のある危険な生物であるかのように振る舞うものがいるのだ!
例えばアブやハナアブは蜂にそっくりで、これは擬態と思われるが、
ハエ目・・・双翅目に分類される昆虫であり、膜翅目の蜂とは別の生き物であるぞよ。
そっくりな二つのグループであるが、
どちらも分類に「翅」と入るように、飛行の仕組みが異なる為に簡単に見分ける事が出来る。
ハチは四枚の翅を持ち、飛ぶ時は前翅と後翅を「翅鉤」と呼ばれるフック状の剛毛で連結し、
大きな一枚の翅として使うぞよ。
一方でハエは、見かけ上は二枚の前翅しか持たない。
後翅は退化し、「平均棍」と呼ばれる棍棒状の器官に姿を変えているぞよ。
これは飛行中前翅の動きに合わせて振動する事で、ジャイロスコープのように作用する。
つまり、飛行制御の為のバランサーとして機能しており、ハエの巧みな飛行能力に繋がっていると言うワケだ。
ハエは後翅が退化し前翅しか見えない為に双翅目ってワケぞよね!

ここに並ぶ双翅目の昆虫達は、シルエット、大きさ様々であるが、みんな翅が二枚と言う基本構造を持つぞよ。

蜂と言えば強力な毒針で時に人を刺し脅かす事で知られるが、全ての蜂が毒針を持つわけではない。
まず第一に、この毒針はもともと卵を産むために使う「産卵管」の変化した器官であるぞよ。
従って毒針のある蜂は全てメスであり、オスは刺さない。
第二に、先にも登場した寄生バチの類では産卵管は重要な器官である為、毒針に使用されずやはり刺さない。
また、針が退化して刺さないものもいるぞよ。
そしてまた、蜂にしても外敵を刺す事には決死の勇気がいるものだ。
おろかなにんげんどもが余計な刺激をしなければ、どんな種の蜂でも悪戯に刺してくる事は無いと言える。
一方で、積極的におろかなにんげんどもを刺しに来る昆虫もいるぞよ。
それは蚊やアブ、サシバエなどの双翅目(ハエ目)の仲間である!
蜂が毒針を武器にするのに対し、これらは鋭い口器を用い、哺乳類らの血液を吸うのである。
もっとも、サシバエではオスもメスも刺すのに対し、蚊やアブではオスは花の蜜を主食として、やはりオスは刺さない。
ハナアブはアブと名がついているが刺すアブとは異なるグループに分類され、雌雄共に刺さないなど様々あるぞよ。

何事にも例外はつきものである。
オスの蜂は刺さぬと言ったばかりだが、この「オデコフタオビドロバチ」では、オスにもお尻に針の如き構造を備えるぞよ。
これは「偽針」と言う交尾器の変化したもので、オスのオデコフタオビドロバチの武器である。
例えばカエルなどに飲み込まれそうになった際、オスはこの偽針でカエルを刺しまくり攻撃するのだ。
毒針ではないものの、カエルはひょっとしたら毒を注入される事を恐れて、雄蜂を吐き出してしまう事もあると言う。

昆虫の特徴の一つに、成虫が翅を持つ事があげられるが、これもまた多くの例外が存在するぞよ。
例えばおろかなにんげんどもも良くご存知のアリさん。
実はアリはハチ目アリ科に属する昆虫であり、蜂と多くの共通した特徴を持っている。
例えば発達した大顎、くびれた体、女王やオスでは翅を持つものもいるし、毒針のある事も共通する。
一方で蟻は腹部の一部がくびれて出来た「腹柄節」と言う構造を持ち、これは狭い隙間で体を曲げるのに役立つ。
つまり、アリは地中生活に適応した蜂の姿と言う事ぞよ。
例えばアリバチはメスでは翅を持たず姿がアリに似るが、アリバチ科に属する蜂であり、蟻ではないので、腹柄節を持たない。

一方でハエの仲間にも翅を持たないものが存在する。
南極大陸に生息する「ナンキョクユスリカ」がその一つで、
これは幼虫で最大5ミリほど、成虫では3ミリ程の実に矮小な虫だが、

南極に生息する他の虫に比べればまず大きく、南極最大の虫としても知られているぞよ。

ほんの数ミリのハエが南極最大の昆虫とは驚きであるが、
世界で、そして最小の虫と言うのが、実は蜂の仲間である。
それは1997年にアメリカのイリノイ州で発見されたホソハネコバチの一種であるぞよ。
ここにいるオオツチバチの、右下の方のピンにそのホソハネコバチの仲間の標本が実は乗っているのだが・・・
その姿は顕微鏡で覗かなければ見る事が出来ないぞよ。

拡大した姿がこちら!
なんかちっちゃい虫、ついてるぞよね!?
これがホソハネコバチ科の一種であるぞよ。
実際に最小種として記載されたのは「エクメプテリギスホソハネコバチ」というホソハネコバチで、
メスの成虫は0.55mmだが、最小なのはオスの方で、そのサイズはなんと0.139mm!
これ見つけた人はよくこいつの存在に気が付いたものだ!!

蜂と言えば社会生活を営む事でも知られる。
巣の中に一匹の女王蜂と大勢の働き蜂が群れで暮らし、女王の子を働き蜂がお世話すると言うのがポピュラーなイメージぞよね。
このような暮らしは「真社会性」と呼ばれ、真社会性を持つ昆虫は「社会性昆虫」と呼ばれるぞよ。
蜂としては一般的なイメージであるこの真社会性を有する者は・・・実はハチ目全体からすると珍しい!
「スズバチ」のように、多くの蜂は、実は共同生活をせず、一人で気ままに暮らしているぞよ。
このような生態は「単独性」と呼ばれ、多くの昆虫では普通の生き方である。

一方で、集団で暮らさない蜂の中にも卵を産んだ後にその場を離れず、
生れてきた赤ちゃんを保護したり、食べ物を世話するものが知られている。
このような生態は「亜社会性」と呼ばれ、「エントツドロバチ」のような蜂は勿論、
他の昆虫にも見られるぞよ。

クロツヤムシ類、ツチカメムシ類、またゴキブリの仲間にも亜社会性を示す昆虫は数多知られているぞよ。

一方で真社会性は蜂や蟻、シロアリやアブラムシなど、限られた昆虫に見られる特殊な暮らしであると言える。
中でもハチ目は複数のグループで真社会性を発達させており、
単独性や亜社会性まで、真社会性に至る前段階の様々な生態を持った種がいる事から、
真社会性の進化を解き明かすうえで重要な動物として注目されているのだ。
この「フタモンアシナガバチ」はそんな真社会性の蜂の一種であるぞよ。

ハチ目以外では、シロアリが真社会性を示す昆虫として知られる。

家族集団で暮らす蜂や蟻、シロアリの多くは巣を作って暮らしている。
例えばシロアリでは高さ4メートルを超える蟻塚を作るものもいるぞよ。
しかし、昆虫最大の巣は地上ではなく地下に存在する。
蟻の仲間には「スーパーコロニー」を形成するものがあって、北海道などに生息する「エゾアカヤマアリ」はかつて、
10kmに渡って続く大集団が発見され、世界記録になった事もあるのだ。
普通、同種の蟻であっても違う巣の蟻同士が仲良くなる事はない。
それぞれの巣には識別信号の様な匂いがあって、別の信号を出す蟻とでは喧嘩してしまうのだ。
ところがエゾアカヤマアリは巣が違っていても体の匂いが似るらしく、
識別が大らかなのである。
すると別の巣が別の巣と出会うと、合流して一つの巨大な巣になる事がある。
前述の10km級の巣では約45000個の巣が融合していたと言うから、その規模は物凄いぞよね!

極めて勤勉で、巣の為に一生を捧げる健気な生き方が蜂の本質である・・・かと言えばそうとも限らん!
中には一切労働しない怠惰な蜂も存在するぞよ。
つまり、巣作りも食べ物集めも別種の蜂に頼り、人の巣に勝手に卵を産み付けてタダ乗りする生き方だ。
これを「労働寄生」と言う!
この労働寄生は蜂をはじめ様々な昆虫に見られるばかりか、他の動物種にも実は広く見られるぞよ。
特にカッコウなどは、別の鳥の巣に卵を産み付けて「托卵」する事で知られているぞよね!
他人に卵の世話をさせる労働寄生は、おろかなにんげぇん・・・の女性にも多く見られるとして密かな社会問題になっているぞよよよよ・・・。
まったくとんでもない事です。
このハチ目セイボウ科の「オオセイボウ」はスズバチに労働寄生する種であるぞよ。

蜂の仲間は生態の似る近縁な蜂同士で労働寄生する事が多いが、時には遠縁のもの同士でもする事があり、様々ぞ。

約15万種いる蜂の半数を占めるのが「寄生バチ」と呼ばれる蜂であるぞよ。
これらはその名の通り、寄主に卵を産み付け、孵化した幼虫が寄主の体液から栄養を摂取し成長する。
従って寄主は産み付けられた赤ちゃんに内側からごはんとして食され、死に至るが為に「捕食寄生」と呼ばれるぞよ。

様々の虫を寄主とする寄生バチであるが、それだけにシビアで、
捕食寄生先は特定の虫、かつ発育段階など決まっている場合も多いぞよ。
会場ではこのように、寄生されるものの下のカーテンを捲ると寄生するものが現れる・・・と言うような体感型の展示もありました。
例えば「ミヤマカミキリ」には「ウマノオバチ」が寄生する・・・と言う具合ぞよね。
寄生バチは特定の相手に寄生できるように、体の作りを特化させている事も多く、
冒頭で登場した「エゾオナガバチ」のように奇天烈な姿をする者も多いぞよ。

蜂の中で最も原始的なものは「ハバチ亜目」という植物食者である。
寄生バチの多くは「ハチ亜目」に含まれ、スズメバチやミツバチなどの良く知られる蜂はその中でもより進化した「有剣類」であるぞよ。
最初は丸かった蜂も、進化の過程でくびれた姿を獲得し、毒針を備えるようになった。

寄生バチの寄生方法には様々なパターンがあるが、
中には寄主を麻痺させてから卵を産み付ける恐ろしいものもいるぞよ。
生かしたまま卵を産み付ける寄生を「飼い殺し寄生」と呼んで、
これを受けた寄主は寄生バチの幼虫を体内に飼ったまま成長する。
そして寄主が十分に育ったころ、体内で急激に成長した寄生バチの幼虫が寄主を死に至らしめるのである。
コマユバチ科の蜂は、そんな飼い殺し寄生を行う蜂として知られている。
寄主が生きている以上、様々な免疫が産み付けられた卵を排除しようとするが、
恐るべきことにコマユバチの母バチは体内で「ポリドナウイルス」と呼ばれるウイルス粒子を作り出し、
これを卵と共に寄主に産み付けるのだ。
このウイルスは寄主の免疫を操作する力を持ち、卵が免疫に攻撃されないようにしてしまうのである。

そしてまた、コマユバチは寄主の行動を自分達に都合よく操作してしまう。
寄生されたシャクトリムシからコマユバチの幼虫達がうじゃうじゃと出てきて、やがて繭を作る。
するとゾンビ化したシャクトリムシは、健気にもこの繭を守る為に近づくものを追い払う仕草を見せるのだ。
体内を食われ、更にはゾンビの用心棒にさせられるとはなんとも哀れな存在ぞよ。
「寄主操作」と呼ばれるこのような現象は、例えばカマキリを体内から水辺に誘うハリガネムシなどで有名ぞよね!

アブラムシはアブラバチに寄生されると、群れを離れて葉裏などに移動する。
やがて「マミー」と言う静止状態になったかと思うと、中からアブラバチが現れるぞよよよよ・・・。
行動をアブラバチの都合の良いように、体内から操作されているのである。

捕食寄生性はハチ目に広く知られる生態であるが、ハエ目、コウチュウ目、チョウ目、アミメカゲロウ目などでも知られる。
中でもハチに次いで多いのがハエ目であり、寄生バチが脊椎動物に寄生しないのに対し、
寄生バエはこれに寄生する。
つまり、おろかなにんげんどもに寄生する事もある・・・!
お、おそろしいぞよねーっ!!
しかし、寄生バエに寄生されてもそれは一時的なものに過ぎず、
体の中をすっかり食い尽くされて死に至る事は無いのでご安心を・・・(?

蜂の祖先は植物食で、その中からやがて動物性タンパク質に頼る寄生バチや狩りバチが登場したが、
中には再び植物食に戻って植物と暮らす事を選んだ者達もいたぞよ。
タマバチ科に属するタマバチなどは、植物に産卵し、幼虫が植物に寄生する。
幼虫が寄生した部位は「虫こぶ」と呼ばれる異常発達構造を成し、幼虫は成虫になるまでこの内壁を食って暮らすぞよ。

これがその虫こぶぞ。
虫こぶの形状は種ごとに決まっていて、このようなシンプルに丸いものから、
見るも奇怪な異常までさまざまである。
虫こぶを見れば、それがなんの種に寄生されているものか同定する事も可能だ。

ハナバチの仲間は花粉を集めて幼虫の餌とする植物食者であるぞよ。
白亜紀に顕花植物と共に多様化したこのグループは、代表的な「花粉媒介者」として知られている。
要するに、花粉を集める際に体にくっついた花粉が花から花へ運ばれる事で、植物が受粉する・・・
つまり、植物の方も虫を上手に利用しているってワケぞよね!
この持ちつ持たれつの関係を「送粉共生系」と呼び、虫の体の作りや、花の色形、大きさなど
様々な共進化を促進してきたと考えられるぞよ。
例えばこの「キヌゲハキリバチ」は海辺を住処とする為に、海辺の砂浜に生えるハマゴウに見初められ、花粉媒介者となった。

「クマバチ」はフジの花が大好きだが、その花弁はクマバチの重みで下がる構造となっており、
その際におしべとめしべが露出してクマバチに花粉をくっつけ、運んでもらう仕組みをするぞよ。

「コガタウツギヒメハナバチ」は1cm程の小さなウツギの花が開花する時期に合わせて出現する。
命のサイクルを花に合わせているワケぞ。


そしてご存知「ニホンミツバチ」!
ミツバチは後脚に「花粉かご」と呼ばれる構造を持つぞよ。
ここに花粉を団子状に固めて集める事で体重の半分にもなる大量の花粉を一度に運ぶ事が出来る。
花粉をくっつけて飛ぶ事に特化した身体の作りは、花に歓迎されたが為に植物と共に進化した構造なのである。

ミツバチ科シタバチ族に属する蜂の仲間「シタバチ」は、中南米にのみ生息し、約200種が知られる中南米の代表的なハナバチである。
これは長い舌状の口吻を持つ事が最大の特徴であり、その長さは体長を超えるものも多い。
メスではやはり幼虫の為に花粉を集めて運ぶ習性があるのだが、
オスでは「香り」を集めて運ぶと言う、他のハナバチには見られない習性があるぞよ。
シタバチのオスは香りを発する物質を見つけると、口から分泌した脂質とその香り成分を混ぜ、
前脚のブラシ状の毛を使ってその香り成分を撫でるように絡めとる。
そしてホバリング飛行しながら前脚を中脚で挟み、毛に香り成分を移し、後脚に運ぶのだが、
この後脚のくぼみはスポンジ状になった内部へと続いていて、集めた香り成分を溜め込む事が出来るのだ。
シタバチのオスはこうして集めた香り成分を空気中に霧状に散布する事で、メスとのコミュニケーションに用いていると言われているぞよ。

会場ではそんなシタバチの好む香りを散布する装置で遊べました。
シタバチのオスを採集する時には、この香りに寄ってくる習性を利用して、
シタバチの好みの香りで誘引すると言う方法が取られると言う。


その3・チョウの扉へつづく→



:このリンクを踏んでなにかポチるとわたくしの懐にささやかな報酬が入りサイトの運営費となるのでよろしくぞ!
・「アニア AA-05 世界の昆虫王者セット
・「カロラータ 立体図鑑 カブトムシ
・「DVD付 新版 昆虫

■TOPへ