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| ■第2章 恐竜の巨大化 |

この章ではいよいよ巨大恐竜達が登場するぞ!
本企画展の主役でもある竜脚類は勿論、他のグループでも恐竜の巨大化は起こっているが、
元を辿れば原始的な種では2メートル程しかなかったぞよ。
これがどうして巨大化に至ったのか、その秘密の一端を明らかにするのがこの章なのだ!

後期三畳紀の南米に生息した原始的な獣脚類である「ヘレラサウルス」
最も原始的な恐竜の一つとして企画展ではお馴染みぞよね!

二足歩行を行う肉食性の獣脚類で、全長は3.5メートル程度。
このような原始的種からより巨大に進化しつつ、獣脚類は分布を広げていったと考えられる。
ここでは獣脚類として紹介されているが、近年は獣脚類に含めないとする考えも主流になりつつあるぞよ。

前期白亜紀のスペインに生息した「コンカベナートル」は進化型の大型獣脚類恐竜だ!
頭から尻尾までほぼ完全に繋がった状態で発見され、皮膚の痕跡も保存されていた稀な種であるぞよ。
最大の特徴は、腰の前後に高くなった背骨。
生前は恐らく帆のようになっていたと考えられる。
このような帆を持つ恐竜は数多見つかっているが、コンカベナートルは中でも前後幅が広く、役割についても良く判っていない。
まだまだ謎めいた恐竜と言えるだろう。

アニメや映画にもあんまり登場しないので知名度の低いコンカベナートル。
しかし玩具の世界では、マテルの「ジュラシック・ワールド」可動アクションフィギュアシリーズ
「ハモンドコレクション」に「コンカヴェナトル」としてなぜかラインナップされており、
Amazonで通年販売されているのでよく知られるようになっている。

恐竜が有名になるにはアニメや映画、ゲームに登場するか、あるいは玩具になる事が最大の条件なのだ・・・!

全長6メートルの大型肉食獣脚類で、コンカベナートルは当時の生態系における頂点捕食者の一つであっただろう。

恐竜の中で最も有名かつ最強の名を欲しいままにするのがご存知ティラノサウルスぞよね!
後期白亜紀に君臨した最強生物もまた、ごく小さなティラノサウルス類が約1億年かけて巨大化を遂げた最終形態であったと考えられる。
こちらは中国遼寧省の熱河層群から見つかった獣脚類「ディロン」!
この地層からは鳥類や羽毛を持った恐竜が沢山見つかっているが、
ディロンはティラノサウルス上科としては初めて羽毛の化石が見つかった恐竜であるぞよ。

全長は約1・6メートルと小型で、前肢はまだ大きく指も三本ある。
より進化型のティラノサウルスでは前肢は小さく、指も退化して2本しかない。

ジュラ紀には大陸分裂がまだ始まったばかりで陸地を容易に移動できたために、
原始的なティラノサウルス類はアジアの他、ヨーロッパや北米まで広く分布したぞよ。
しかし前期白亜紀には大陸が海で隔てられた為に、ティラノサウルス類はアジアに閉じ込められてしまった。
それが後期白亜紀になると再び大陸が繋がり行き来が出来るようになったため、
進化型のティラノサウルス類はアジアと北米の両方で見られるようになってゆくぞよ。

ティラノサウルス類がベーリング陸橋を渡ってアジアとララミディア大陸を行き来したとは、
「恐竜科学博2023」でも語られていたぞよね!

中国は内モンゴル自治区より産した「ラプトレックス」は発見当初前期白亜紀の獣脚類と考えられたが、
後の研究では後期白亜紀のものであると改められている。
そしてまた、従来原始的と考えられてきた特徴の多くが、実はティラノサウルス科の幼体が共通して持つ特徴である事も判明した為、
現在ではこのラプトレックスは独立した種でなく、大型ティラノサウルス類の幼体であるとの見方が強まっていると言う。

なんでも同じ年頃のタルボサウルス幼体と酷似すると言われるので、
これはタルボサウルスかその近縁種の子供なのかもしれないぞよ。

成長するとがっしりした身体つきになるティラノサウルス類も、子供の頃はスマートで高い俊敏性を有していたとされるのだ。 |

そんな肉食獣脚類の最終形態にして最強の姿がご存知「ティラノサウルス」である・・・!
こちらは前回のオダイバ恐竜博覧会にもやってきていた頭骨ぞよね!

オダイバでは主役の座をスピノサウルスに譲ったティラノサウルスですが、
本企画展は夏休みの恐竜シーズン本番と言う事で、全身骨格もやってきている・・・!
と、その紹介の前にこのエリアの向かいにででーんと構えるヤツの事を紹介しよう・・・! |

な、な、なんと!
「オダイバ恐竜博覧会」の主役であったココロ製の最新スピノサウルスロボットが本企画展にも早速続投しているのだ・・・!
おー、スピノロボよ、元気だったぞよか〜!?
相変わらず勇ましい遊泳姿ぞよね!

こちらのスピノサウルスロボットと、その製造元である株式会社ココロについては、「オダイバ恐竜博覧会」レポで特集した。
スピノサウルスの紹介と合わせて散々解説したので、ここで繰り返す事もあるまい・・・!
詳細はそちらを参照のことぞ!

と言う事で本企画展、春のオダイバ恐竜博覧会の続編的趣もあるのです。
福井からやってきている標本も共通のものが多く、学びが深まるぞよ。

ちなみに会場内の様々な個所には撮影スポットマシンが配置されており、入口で貰えたフォトカードを用いて記念撮影する事が出来た。
出来上がった写真は出口で購入出来ました。
プリントだけじゃなくてデータも貰えるとは今風であるぞよ。

話はティラノサウルスに戻って、こちらは全身骨格だ!
これまでに20体以上もの骨格が発掘されているティラノサウルスの中でも、こちらはワイレックスと呼ばれる個体。
後期白亜紀の最強獣脚類・ティラノサウルスに関しては「恐竜科学博2023」レポも詳しいのでそちらも参照のことぞ。
また、ティラノサウルスは玩具の世界でも一番人気!
わたくしもこれまでに幾つのティラノをレビューしてきたか判らん程で、
その度にティラノウンチクなど解説しているのでアニアレビューなども合わせてお楽しみくださいぞよ。

原始的なものほど小型で、派生的になるほど大型傾向の強まるティラノサウルス上科は、
最も古いものでは中期ジュラ紀の地層から見つかっており、全長は3〜4メートル程度であった。
その後後期ジュラ紀には6メートル、前期白亜紀には8メートル級のものもあらわれるが、一部地域に限定され、
多くの場合はアロサウルス上科の方が大型肉食動物としては優秀なポジションにおり、
ティラノサウルス上科は比較的小型の獲物を狙う捕食者であったとされる。
このような傾向は後期白亜紀の最初期(約9000万年前)まで続いた後、
大型アロサウルス上科は南米やアフリカなどの南半球で見られるようになり、
ティラノサウルス上科の天下は北半球のアジアや北米となって、それぞれ棲み分けが為されたぞよ。

進化型のティラノサウルス科では前肢は小さく、指も二本に減ってしまった。
代わりに頭骨が発達し、目が正面を向いて肉食獣として最適化され、顎の力も極限まで高まり超絶パワーアップを遂げている。

ティラノサウルスの復元図は様々変遷してきた歴史があり、特に映画などでは格好良く誇張されて描かれる事も多い。
従来は映画「ジュラシック・パーク」をはじめ、ワニのように唇のない姿で牙を剥きだしに描かれてきたティラノサウルスであるが、
本当はオオトカゲのように牙全体が鱗状の唇に覆われ見えなかったのではないか?とも考えられており、
近年はこの唇付き復元が主流になりつつあるぞよ。
そしてまた、ティラノサウルスには羽毛があり、もふもふしていたのではないか?と語られる事も多いが、
確かにティラノサウルス類をはじめ、獣脚類には羽毛のあるものも多くいたものの、
このワイレックスにおいては羽毛の痕跡が見られないばかりか、鱗状の皮膚の印象が残されており、
少なくとも全身もふもふ説は否定されていると言って良い。
恐らくティラノサウルスは小型の羽毛恐竜として誕生し、成長に従って毛が抜け落ちたのではないか、とも考えられているぞよ。

ワイレックスの特徴として、尾椎の端に激しくただれた痕跡が残る事も上げられる。
殆ど治癒していなかったと言うこの傷痕は、恐らく他のティラノサウルスによって食いちぎられた後だと考えられているぞよ。
ティラノサウルスに傷を負わせることが出来るのは、同じ巨大獣脚類であるティラノサウルスだけ・・・というワケぞ! |

後期白亜紀の北米は南北に伸びる内海によって分断されていた。
即ち、東のアパラチアと西のララミディアである。
二つの大陸のうち、ララミディア大陸に跳梁した角竜類の最終形態こそが、ご存知「トリケラトプス」であるとは、
「恐竜科学博2023」でも大特集されていたので記憶に新しいぞよね!

トリケラトプスに関しては上述の「恐竜科学博」レポが詳細なのでそちらを参照のこととして、
本企画展で注目なのはこちらの実物大復元模型。
なんと右半身が生体復元、左半身が骨格と筋肉系がむき出しになった解剖学的な復元模型という珍しいものだ!

そしてまた、この模型には恐竜を齧ったものならおや、と感じる特徴がある。
そう、角竜の特徴であるフリルに穴が開いているんですね!
これはトリケラトプスではなく、「トロサウルス」の特徴であるぞよ!

この生体復元模型は、著名な恐竜学者であるジャック・ホーナー博士が監修しており、
博士の見解が大きく反映された貴重なものとされるぞよ。
ホーナー博士が2010年に唱えた説こそ、トロサウルスはトリケラトプスの成体である・・・と言う学説であった。
解剖学的な分析によれば、トロサウルスに見られるフリルの開口部こそ成熟の証であり、
トリケラトプスが成長してゆくとフリルは大きく伸長し、その過程で穴が開くと博士は考えたのである。
しかし、2013年頃にはこの説は覆され、トリケラトプスとトロサウルスが同種であると言う考えは誤りであったと結論され、
今日では二つの角竜はやはり別種であると考えられている。

つまり、この生体復元は当時の斬新な説を盛り込んだ貴重なものであるが、
現代においてトリケラトプスとキャプションをつけて展示するのは誤りである。
これはトリケラトプスとして作られたが、実はトロサウルスの生体復元模型である・・・と言うのが正確な所であろう!

お尻の方は筋肉が再現されており、まず珍しいものだ。
この模型、2017年に幕張メッセで行われた「ギガ恐竜展2017」にもやってきており、
この企画展もやはり超巨大竜脚類「ルヤンゴサウルス」が目玉となるビッグスケールなものであった。
竜脚類の展示会にこの模型がいる事は、当時を思い出して懐かしい組み合わせなのです。

恐竜研究は日進月歩。
かつては斬新に思われた最新研究が、後の検証で覆されるのもままある事ぞ!
トリケラトプス一つにしても、様々な考え方が現れては消えていった。

足元には赤ちゃんトリケラが寝ていますよ。

フリルや角が未発達で、こちらもツボを押さえた造形となっている。

そんな学説の変遷が見られるトリケラ模型の手前に並ぶのは中国河南省より産した後期白亜紀の角竜類「モザイケラトプス」である。
モザイケラトプスは後述のプシッタコサウルスよりも進化的なネオケラトプス類に属しながら、
前上顎骨が比較的大きく、歯を持たず、後眼窩骨が細長い事など、プシッタコサウルス科だけに知られていた特徴を備えている。
つまり、原始的な特徴と進化的な特徴を併せ持つ「モザイク」と言うのが名の由来である。

手前が取り出された頭骨、産状化石にはバラバラになった各部位が見られる。

一緒に産出した卵化石は、殻の結晶構造からカメ類の卵である事が判明している。
どうやらこのモザイケラトプスは河川の砂州で息絶え、
骨が砂に埋もれた所へ、リクガメの一種がたまたま巣を作り、共に化石になってしまったようである。

そしてオウムの様なくちばしをもつこちらが前期白亜紀の原始的な角竜「プシッタコサウルス」だ。
頭を見てもわかる通り、まだフリルも未発達で二足歩行をしていた。
中国からは皮膚の一部や羽毛の痕跡が残った化石も多く産出しているが、
このプシッタコサウルスもまた、状態の良い化石から尻尾の背中側中央には剛毛の様なものが生えており、
背中側の方がお腹側より濃い色をしていた事も判明しているぞよ。
現生動物の中で羽毛を持つ生き物は鳥類だけである。
これはケラチンからなり、もともとは爬虫類の鱗が発達したものと考えられるぞよ。
このような羽毛はこれまで、鳥の祖先となった恐竜の中でも、竜盤類獣脚類の一種であるコエルロサウルス類の持っていた特徴と考えられていた。
しかし、プシッタコサウルスやティアニュロングなど、鳥盤類恐竜の中にも羽毛を持つものが見つかりだしたぞよ。
竜盤類と鳥盤類は別々のルートで進化してきた恐竜なので、それぞれ別々に鱗を発達させ羽毛を備えるに至ったと考えられる。
このような初期の羽毛は、飛ぶためにあったのではなく、防御や体温調節、カモフラージュや異性へのアピールの為にあったのかもしれないぞよ。
その中で獣脚類だけが羽毛を飛行に利用できることに気づき、鳥に進化したのだろう。
生物の神秘ぞよね! |

大陸で巨大化する恐竜達がいた一方、このような大型生物が島に生息するようになると小型化し、
逆に小型生物は大型化してゆく傾向がある事も知られている。
このような現象を「島嶼化」と言うぞよ。
巨大な事で知られるブラキオサウルスに近縁な、後期ジュラ紀の竜脚類「エウロパサウルス」は、
成体でも全長6メートル程度と極めて小型であるが、
これは大小の島々の点在する栄養の乏しい環境で大型に成長できなかった為の島嶼小型化であると見られている。

後期白亜紀のイタリアに生息した「テチスハドロス」は、全長4メートル程度の小型のイグアノドン。
白亜紀のイタリアはヨーロッパとアフリカを繋ぐように並んだ島の集まりであった。
このような島で独自に進化したテチスハドロスの小柄な体躯もまた、島嶼化によるものと考えられる。

隔離された島々では、エサとなる食物が限られ、動物達は大きく成長する事が出来なかった。
そしてまた、早く成熟しないと子孫を残せなかった為に、島嶼小型化が起こったと考えられるぞよ。 |

いよいよ恐竜進化を辿る物語は、メインテーマである竜脚類に差し掛かる・・・!
こちらは後期三畳紀の竜脚形類「エオラプトル」!
1993年に新種記載された当時は獣脚類と考えられたが、
原始的な竜脚形類と共通の形質を備える為に、竜脚形類に属するとの説も唱えられているぞよ。

いわば竜脚形類のたねポケモン・・・!
この頃はまだ二足歩行だったのです。

2003年に命名された当初は原始的な竜脚類とされた「アンテトニトルス」であるが、
その後の発掘で原始的な竜脚形類から竜脚類へ進化する過渡期の恐竜が数多見つかった為、
アンテトニトルスが進化系統図のうちどこに位置するのか未だ定まっていいないと言うぞよ。

後期三畳紀に登場した竜脚類は急速に大型化を遂げ、中期ジュラ紀には全長20メートルを超えるまでになっていった。
そんな中期ジュラ紀の竜脚類「オメイサウルス」は、中国の四川省に生息したもので、
首が非常になが〜く進化しているぞよ。
このように、初めは小さかった竜脚形類も、やがては巨大化し陸上最大級の巨大生物まで変貌してゆく。
続く第3章では、いよいよ超巨大竜脚類・ティタノサウルス類が登場するぞよ!!
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・「アニア AL-24 アルゼンチノサウルス」
・「ハモンドコレクション ブラキオサウルス」
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「第3章 ティタノサウルス類:最も大きな恐竜たちのくらし」へつづく→
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